わたしは同性パートナーと「ふたりママ」として共に子育てをしています。
妊娠期間から産まれて数ヶ月は特に「ふたりの母親がいるなんて、子どもたちにどうやって説明するの?」と言われることが時々ありました。
家族になるまでのプロセスは各家庭によって違うので、
あくまで我が家の場合の「子どもたちにどうやってふたりの母親がいることを伝えているのか?」
ということを記事にしました。
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子どもには出自を知る権利がある
子どもの権利条約に定められている通り、子どもには出自を知る権利があります。
自分のルーツを知りたいと思うのは自然な感情だなと思うので、わたしたちは子どもたちに段階を踏みながら全てを正直に伝えています。
子どもたちに出自やルーツを聞かれた時に、曖昧に答えたりハグらかしたら信頼関係が一瞬でなくなってしまう気がしまうんですよね。
伝え方は段階を踏むようにし、あとは子どもたちが疑問に思った時にいつでも聞けるようにしておくことや、嘘をつかない・隠さないことを大事にしています。
ふたりの母親がいる子どもたちへの伝え方
わたしたちは妊娠前からたくさん話し合い、近所に住む先輩ふたりママにアドバイスをいただき、ふたりで母親になる準備を進めていきました。
<下につづく>
子どもの理解度に合わせて段階的に伝える
子どもの理解度ですが、うちの子たちの場合、3歳ごろまでには「自分たちにはお母さんが2人いること」をわかるようになりました。
保育園と幼稚園に通い始めたのと同時に、子どもたちの世界が少し広がっていったので、
「お父さんがいるお友達もいること」も認識するようになりました。
2歳ごろからいろんな家族がいることをフェルト遊びやスケッチブックシアター「こんこんこん誰のお家?」や絵本「かぞくです」を通して伝えてきたので、
お母さんやお父さんがいない子、ひとり親の子、
養子や里子として迎えられた子、どちらかの親とは別々に暮らす子がいることなども知っています。
すでに社会にはいろいろな家族が暮らしているのだから、「伝えるのに早すぎる」ということは全然ないと思っています。
犬を1匹飼っていて子どもはいない家族という設定だったんですよ。
同性カップルに育てられる子どもはかわいそうという声もよく聞きますが、
幼い頃からいろんな家族がいること伝えていたら、周りと違う家族構成だから変とか、いじめていいという思考にはならないんだなと。
「いろんな家族がいることが当たり前なんだ」と認識してくれるんですね。
わたしはいま、周りの子どもをたちを含めて、お母さんが2人いることを恥ずかしいと思うことも、変だと思うこともなく、日々を暮らせています。
小学校に入ると、「同性同士でどうやって赤ちゃんが生まれたの?」と質問されることもあるかもしれないですよね。
同性同士の子どもの授かり方や家族になるまでは各家庭によってそれぞれですが、必要なのは性教育を家庭でも行なうことです。
ゆくゆくはLGBTQ+(性別・性的指向・性自認・性表現を含む)についての正しい知識を伝えるのも大事だなと思っていますが、
異性愛前提の言葉に出会った時に伝える
普段の日常生活の中で、ふとした時に「異性愛者しか想定されていないな」と思うことがよくあります。
ふたりママとして子育てをしていて最も気づくのは、
手遊びや子ども向けの歌やビデオ、絵本の中に「お父さん・お母さん・子ども」の典型的な家族像だけが毎回出てくる時です。
また、子どもたちはお父さんがいることが前提で話しかけられることもありますね。
社会の中で異性愛者が圧倒的に多いので仕方ないかもしれませんが、わたしたち家族も確かにここに存在しているんですよね。
異性愛者しか想定されていない言葉やジェンダーステレオタイプの発言を聞いた時には、「他にもこんな人やこんな家族もいるよね」と子どもたちに伝えるようにしています。
多様な家族が出てくる絵本を読む
ほとんどの絵本には「お母さん・お父さん・子ども」の典型的な家族像が表現されているので、
おうちでは多様な家族が出てくる絵本を日常に取り入れています。
近所に住む先輩のふたりママに話を聞きに行った時には、こんなことを教えてもらいました。
「わたしたちは生活圏内すべての図書館や保育園、幼稚園に絵本を寄贈したよ。わたしたちのような家族が出てくる絵本を置いてもらうことで当たり前に暮らしていると伝えたかったから。」
わたしはこの言葉を聞いて心から安心したのと同時に、
先輩ふたりママさんたちが「自分にできる小さなアクションを起こしていること」に感激したんです。
絵本①「かぞくです」
実在する6家族が描かれているので、空想でなく現実社会に多様な家族がいることを身近に感じてもらえるようになっています。
絵本「かぞくです」については、こちらの記事にまとめました▼
絵本②「ようこそ! あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし」
この絵本の中には、「ママ・パパ / お母さん・お父さん」という言葉が出てきません。
「おなかにあかちゃんがいる人」」という書き方になっているので、どの家族にも当てはまるように書かれています。
同性カップルやひとり親、養子縁組、障がいのある親も出てくるんですよ。
どの家族も排除しない書かれ方で素敵でした。
どうやって子どもが生まれてくるのか、わかりやすく描かれています。
この絵本を読めば、「赤ちゃんがいる家庭は、必ずお父さんがいてお母さんがいる」という間違った知識にならないです。
性教育の入門としてもおすすめですね。
絵本のレビューを詳しく書いたので、合わせてこちらの記事もどうぞ▼
オススメの絵本③「いろいろいろんなかぞくのほん」
人種・障がい・宗教の多様性も含まれているので、本当に買ってよかったです。
絵本のレビューを詳しく書いたので、合わせてこちらの記事もどうぞ▼
いちばん大事なのは愛情を注ぐこと
我が家は、子どもたちに幼いころから「いろいろな家族がいるんだよ〜」と伝え、年齢に応じて段階的に性教育を取り入れ、
そして学校や公共図書館に絵本を寄贈し、多様な絵本を出版する方のサポートをしたりしながら伝えていっています。
子どもたちが産まれる前からパートナーと話し合って「ふたりママになること」を決めたので、
いわゆるカミングアウトとは少し違うかもしれないのですが、
この家族に生まれてよかったといつか子どもたちに思ってもらえるように、たくさん愛情を注ぎ、パートナーと共に精進していきたいです。
あくまで我が家の場合なので、こんな家族もいるんだな〜くらいに読んでいただけたら嬉しいです。
以上、双子のふたりママのまどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
多様な家族がいることを伝える絵本「かぞくです」はこちらから▼