
前記事はパートナーとの出会いとプロポーズについてを書きましたが、
この記事ではどのように家族にカミングアウトをしたかを書きました。
実はわたしはカミングアウトはしないつもりだったんです。
ですが、大祖母のお葬式をキッカケに母に伝えることを決意したのです!!
全3話ストーリー
①同性のカナダ出身の恋人からプロポーズされた!同性婚までの道のり
②国際同性婚を決めた私のカミングアウトストーリー←イマココ
③遂に迎えた結婚式!同性同士でも幸せになれるの?
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母へのカミングアウト
家族の中で最初にカミングアウトしたのは母でした。
大祖母のお葬式の帰り道、母はこう言いました。

大祖母が笑顔で亡くなったことを思い返し、なぜか今しかないって思い立ったんです。
わたしが今、付き合っている人は同性だということを。
いつかキムと別れるつもりならわざわざ言わなくてもいい。
でも、別れることが考えられなかったんです。

恋人がいることは喜ぶべきことなのに、わたしは神妙な面持ちで話を切り出しました。
大祖母が亡くなったこともあってか、付き合っていることを伝えながら、思わず涙が。
母は「人を好きになることに性別も国籍も関係ないのだから自信を持っていいんだよ」と
涙ぐみつつも受け入れてくれたんです。

その後、母は急に、「カナダにいるキムにスカイプしよう!」と提案。
「二人のことを応援しているからね!」と力強く伝えてくれ、キムも日本語で「ありがとう」と嬉しそうでした。
なぜならその時、キム自身もまだ自分の親にカミングアウトしていなかったんですよ。
同性婚ができるカナダですが、家族に受け入れられない、理解されないケースも珍しくないのです。
友人へのカミングアウト
結婚式が近づくにつれて、「式に誰を招待するか」という話に必然となります。
「式に呼ぶ=カミングアウトをしなければいけない」という心身ともに疲れることをやってのける必要があったんです。
わたしは既にカナダに住んでいたので、結婚することをメールで伝えることが増えていました。
残念ながらカミングアウトできずに結婚式に招待できなかった友人たちも数多くいます。
さらに新しい人に出会うたびにカミングアウトをしたりしなかったり。
「ホモだと思われるよ」と笑いをとる友人たちの何気ない会話が心を悩まし、徐々に距離をとるようになっていきました。
居心地が悪いと感じる時もあったけれど、LGBT+当事者になってから初めてわかることも沢山あったんですよね。
自分自身でさえもLGBT+への偏見を持っていたことに気づいた時期でもありました。
自分で自分を受け入れるのが本当にツラく長い道のりだったんです。
のちにカナダで最先端の教育に触れる機会があり、無意識的に行う差別や偏見のことをマイクロ・アグレッションと言うことを学びました。
今こうして、わたしがなんの迷いなく不特定多数の人に向けて書いているのは、様々な人と出会ったことでやっぱり世界を変えなければ!と思ったからなんですよね。

アメリカの銃乱射事件もわたしが動き出すキッカケになりました。
<下に続く>
結婚真近で遂に父へカミングアウト!
父とは、ほとんど会話をしていない時期が10年ほどありました。
ステレオタイプな父だと思い込み、否定されるのではないかという恐怖心から、
わたしたちの関係を打ち明けることに気が進まなかったんですよね。
ようやく今までの感謝の気持ち、結婚すること、カナダでの生活のことを伝えることができたんです。
それからしばらくして「父の命が長くない」というのは母の嘘であったと判明(笑)

父にはメールではなく、手紙でカミングアウトしました。
キムからも日本語で一筆書いてもらって。

10年の溝を埋めるかのように一心不乱に書き続けました。
便箋レター6枚にぎっしりの文字になっていましたね。
2週間ほどで日本で手紙を読んだ父からLINEメッセージがきたんです。(一部抜粋)




だって完全にステレオタイプだと思っていた父から、まさか「おめでとう」という言葉が聞けるなんて。
わたしたちは歓喜の声をあげて喜び、「よかったぁ」と安堵の涙を流すほどでした。
カミングアウトはしなくてもいい
冒頭でも書いた通り、家族や友人に理解されない、祝福されないケースはあるんですよね。
だからわたしのような家族は稀なのかもしれない。

また、「この人なら大丈夫だろう」と思った人が偏見に満ちている人であったり、
「絶対に理解してくれないだろう」と思い込んでいた人が、実は良き理解者になってくれたりと、
本当に様々なケースがあります。
実際、わたしもそうでしたから。
「好きな人と共に生きていくこと」を否定されることほど悲しいことはないですよね。
だから別にカミングアウトはしなくてもいいんですよ。
カミングアウトができないからって悩む必要もない。
したいと思った時にしてみたらいいんじゃないかな〜と。
必ずしもいい反応ばかりじゃないから、心苦しくなることもきっとあるけど、何かのタイミングで変わる日が来るかもしれない。
もしくは、少しづつ変わっているのかもしれない。
今でもわたしは言ったり言わなかったりを繰り返しながら、好きな人と共に生きています。
さて、結婚式当日のお話へと続きます。国際同性婚ってどんな感じ?と気になる方はぜひ読んでくださいね〜。
この書籍おすすめです▼
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。