
LGBTQ+に関する用語に「カミングアウト」という言葉があります。
カミングアウトとはどんな意味なのでしょうか?
「カミングアウトとは?」について書いていきます!!
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カミングアウトとは?
カミングアウトとは、LGBTQ+当事者が自分の性的指向や性自認を第三者に打ち明けることをいいます。
わかりやすく例えを挙げると、「わたしはゲイなんだ」と友人や家族に伝えることです。
カミングアウトの由来・歴史
「カミングアウト」は、LGBTQ+コミュニティで長い間使われてきた言葉ですが、
最初は「LGBTQ+のコミュニティに参加すること」を意味していたんです。
それがそのうちに、「ゲイである」「レズビアンである」などと第三者に打ち明ける意味に変化していきました。
カミングアウトの英語・語源
英語ではcoming-outまたは come outと表記されます。
元々の語源は「Coming out of the closet」で、クローゼットから出てくる比喩からきています。
カミングアウトの対義語は?
カミングアウトの対義語は「クローゼット」といわれます。
クローゼットとは自分の「性自認・性的指向を隠す」という意味です。
クローゼットって衣類をしまう・隠す場所ですよね。
LGBTQ+当事者の心にたとえて、「クローゼット」と呼ばれるようになったわけです。
カミングアウトの特徴
カミングアウトの最大の特徴は、「カミングアウトは1度きりではない」というところです。
家族や友人、近所や職場の人、そして新しく出会う人。
異性愛前提の社会である限り、カミングアウトは当事者にとって何度も続くんですよね。
カミングアウトって1回だけと思いきや、新しい人に出会うたびに続くんですよね…。異性愛前提の会話がなくならない限り、一生続いていく。こんなに大々的にSNSで顔出しでカミングアウトしているわたしですが、何度カミングアウトしても慣れない。
— まどぅー@旅するダンサー🌈👶👶 (@madocanada) October 12, 2020
また、何気ない「彼氏(彼女)いるの?」などの異性愛前提の会話はマイクロアグレッションにあたります。
カミングアウトは選べる
「わざわざカミングアウトしなくてもいいのでは?」という意見や「カミングアウトすればいいのに」という異性愛者の人たちの意見があります。
ですが、冒頭でも述べた通り、カミングアウトしなければ異性愛者としてみられてしまいます。
それは当事者にとって決して心地いいものではないのですが、かといって「カミングアウトすればいい」という単純なことでもないんです。
長年、笑いのネタにされてきたり、間違った情報から差別を受けてきたのでカミングアウトするのに不安を抱くのは当然なのです。
なので、カミングアウトは周りの人が「すべき」「すべきじゃない」と決められるものではありません。

LGBTQ+当事者が置かれている状況や環境において、自分がより生きやすい方を選んでいいのです。
カミングアウトの別の言い方
カムアウトと呼ばれたり、略してカムアと呼ばれることもあります。
またカミングアウトしたことを、「カムした」ということも。

国際カミングアウトデーとは?
毎年10月11日は国際カミングアウトデーと呼ばれるものがあります。
自分の性的指向や性自認をカミングアウトした当事者の人たちをお祝いする日としてアメリカから世界各国に広まりました。
日本のメディアや企業などでは、カミングアウトを「秘密を打ち明けること」の意味として使われることが多々あります。
カミングアウトはLGBTQ+の人権に関わる非常に重要な言葉。
本来のカミングアウトの意味や国際カミングアウトデーの背景を知らずに、マーケティングに利用していい言葉ではないのです。
<下に続く>
カミングアウトとアウティングの違いは?
ちなみにカミングアウトとアウティングは混同されがちですが、全く意味が違います。
簡単に説明するとこんな感じ▼
- 自分の性的指向や性自認を自分で第三者に打ち明けることを「カミングアウト」
- 自分の性的指向や性自認を勝手に第三者に暴露されるのが「アウティング」
もしもカミングアウトを受けたとしても、アウティングをしないように注意が必要になるんです。

同時に知っておきたい言葉ですよ▼
カミングアウトにおけるゾーニングとは?
ゾーニングとは、誰にどの程度までカミングアウトをするかを線引きすることです。

LGBTQ+当事者にとって以下の判断は常につきまといます。
- カミングアウトする?しない?
- カミングアウトする人は誰?
- いつする?どのタイミングで?
- どの内容まで伝える?
アウティングされるのを防ぐためや、不要なトラブルを避けるために上記のゾーニングを考えているLGBTQ+当事者は多くいます。
わたしも新しい人に出会うたびにどこまでカミングアウトをするのか、未だに悩みますね。
ゾーニングについては以下のサイトがとてもわかりやすかったので関連リンクを貼っておきます。
関連リンク:LGBTカミングアウトのゾーニングとは?カミングアウトとアウティングについての理解を深めて知識と教養の成熟した社会へ
カミングアウトの関連記事
カミングアウトに関連する記事をまとめてみました。

①カミングアウトされたらどうする?
「身近な人からカミングアウトされたらどうすればいいのでしょうか?」という質問をいただくことがあります。
LGBT(Q)+当事者としては今までと全く同じように接してくれたら嬉しいのですが、戸惑う人も多くいるはず。
別記事に詳しく書きました。
②カミングアウトの切り出し方・言い方
カミングアウトの切り出し方や言い方に正解はありません。

ですが、これからカミングアウトすると決めた方を全力で応援したいです。
わたしの今までのカミングアウト方法をまとめたので、別記事からどうぞ▼
③カミングアウトのメリット・デメリット
カミングアウトのメリット・デメリットも別記事にまとめてみました。
④わたしのカミングアウトストーリー
わたしがカミングアウトをし始めたのは、カナダ人パートナーとの結婚がきっかけです。
幸い、母親にも父親にも受け入れてもらえたのはすごくラッキーだったんですよね。
⑤わたしのカミングアウト失敗談
多くのカミングアウト美談話があるなか、「気持ち悪い」と言われたこともあります…。
カミングアウトを拒絶された時のことを書いています▼
⑥カミングアウト後に母親にインタビュー
カミングアウトをしてから5年後に、改めて母親に当時の心境を聞いてみました。
なかなか読み応えあるインタビューになったので是非▼
カミングアウト関連書籍
最後にカミングアウト関連書籍をまとめておきますね。
書籍「カミングアウトレターズ」は書評を別記事に書いています▼
この記事ではカミングアウトとは?についてまとめました。
参考になれば幸いです!!
以上、LGBT(Q)当事者のまどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。