
わたしは2016年にカナダで同性婚をし、2019年に双子を授かりました。
子どもたちは「ふたりのママがいる家庭」になります。
「ふつう」ってなんだろう?
世界にはいろんな人がいることを子どもの頃から学んでおけたらいいなと日頃から思います。
LGBTや多様性がわかるオススメの絵本を厳選しました。
「ちがい」について考えながら親子で読んでほしい絵本たちを紹介します♪
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タンタンタンゴはパパふたり
あらすじ・内容
動物園にはいろんな家族がいます。でもペンギンのタンゴの家族はちょっと違っていました。
ロイとシロのパパふたりとタンゴ、それがタンゴの家族なのです。
Amazonより引用
感想・見どころ
ニューヨークの動物園で実際にあった同性カップルのペンギンのお話を絵本にしています。(and Tango makes threeの翻訳)
同性カップルのことだけでなく、「家族とは何か?」「愛とは何か?」そんなことを問いかけてくれます。
かといって小難しい内容なわけでなく、読みやすいんですよ。
タンゴが生まれる瞬間は感動。ホッコリ暖かい気持ちになれます。
ふたりママの家で
あらすじ・内容
わたし、ウィル、ミリーの3人きょうだいには、ママがふたりいる。みんなでご飯をつくって食べたり、一緒に踊ったり、楽しく笑いの絶えない毎日。親せきも近所の人もみんな「ふたりママ」のことが大好きだけど、中には違う考えをもつ人がいて…?子どもたちがやってきてから、ふたりママがおばあちゃんになり、次の世代につなぐまで。ふたりママの家の、にぎやかで、なんてことのない、成長記録。
Amazonより引用
感想・見どころ
2人の母親が子どもたちにこう教えるシーンがあります。
人と違うのは、いけないことではないのよ。むしろ、違いがあるのは、良いことなの。
多様な家族のあり方を子どもの頃から知っておくと、他者に対して思いやりがある子に育ちますよね。
いろんな家庭がある、いろんな人がいること、絵本から学んでほしい。
「ふたりママの家で」の詳しい書評レビューは別記事に書いたので、さらに気になる方はぜひ▼
マチルダとふたりのパパ
あらすじ・内容
パールとマチルダは大のなかよしで、いろんなことがそっくり。マチルダに、ふたりのおとうさんがいること以外は。パールは、同性の両親を持つ友達との出会いで、家族のかたちはさまざまで、ちがいはあるけれど、大切なことは同じ、ということに気付きます。
Amazonより引用
感想・見どころ
こちらの絵本はふたりのパパが絵本に出てきます。
日本にもすでにふたりの母親を持つ子ども、ふたりの父親を持つ子どもがいます。
社会に偏見がある限り、実はLGBTファミリーが身近にいることに気づかない人も多いかもしれません。
この絵本には「LGBTは特別なことじゃないんだよ、同じように生活しているんだよ」というメッセージが込められているんですよ。
子どもは知らず知らずのうちに「家族とはこうあるべき」とか、「男の子(女の子)はこうあるべき」と勝手なジェンダーイメージを植えつけられています。
こんな絵本がもっと広まったらイイな〜と思う。

いろいろ いろんな かぞくの ほん
あらすじ・内容
むかしの本に出てくる家族はたいてい同じだけど、実際の家族にはいろいろな形がある。
家族構成や住んでいるところ、仕事や休みの日の過ごし方、お祝いごとも家族によってそれぞれ違う。どんな気持ちで暮らしているかも違う。さあ、きみのかぞくはどうかな?
Amazonより引用
感想・見どころ
この絵本、親になるすべての人に購入してほしい。
そのくらいオススメです。
小学校に入る前には親子で読んでほしいですね。3歳くらいから読み聞かせてもいいかも。
小学校に入ると、人と比べるようになりますよね。「お前の家は変だ」と言ったり言われたり。
そういう言葉って大人から学ぶんだと思うけれど。
でも一体、ふつうの家族ってなんでしょう?

LGBT家族のことだけでなくて、多様な家族について描かれています。
絵もかなり細かく描かれているので、眺めているだけでも楽しいですよ。すごく丁寧に作り込まれているんです。
絵本のレビュー記事は別に書きました▼
同じシリーズのこの絵本もおすすめ▼
似ている系統の絵本はこちら▼
くまのトーマスはおんなのこ
あらすじ・内容
女の子になりたいとずっと悩んでいたテディベアのトーマス。 それを打ち明けたら、大好きなエロールはもう友だちじゃなくなってしまうだろうか…。 本当の自分を打ち明ける勇気を持ったテディベアと、 そしてそれを知らされた親友のエロールの返事は……。 「大事なのはきみがぼくの友だちだってことさ」 ジェンダーと友情についてのやさしいお話。 作者のジェシカ・ウォルトンの父は男性から女性に性別移行したトランスジェンダーだった。ジェシカは、自分の息子エロールに読んで聞かせるトランスジェンダーをテーマにした絵本を作りたいと思ったことがきっかけで、自分でこの絵本を制作した。 本文は、すべてひらがなとカタカナ。幼い読者がひとりでも読める絵本です。
Amazonより引用
感想・見どころ
「ありのままの自分でいていいんだよ」っていうメッセージが込められている絵本です。
大人がジェンダー像を決めつけて「男の子なんだから」「女の子なんだから」と押し付けてはいないか?大人にも学びある絵本です。
多様な性のあり方を伝えるのって難しいですが、この絵本でなら自然に理解できます。
子どもたちには「自分だけが変なのでは?」と思い悩む人生より、「それは変なことじゃないんだよ。人と違ってもいいんだよ」と伝えていきたい。
にじいろのしあわせ
あらすじ・内容
みんなとちがうって、いけないことなの?
アメリカ副大統領に飼われているうさぎのマーロンくんは、すてきな彼氏と結婚したいと思いました。
でも偉そうなカメムシに反対されて…。
Amazonより引用
感想・見どころ
「にじいろのしあわせ」は英語版「A Day in the Life of Marlon Bundo」を翻訳出版された絵本です。
主人公ウサギのマーロン・ブンドは実在するウサギなんですよ。
アメリカ合衆国副大統領がワシントンの公邸で飼っているウサギがモデル。
絵本では主人公のウサギの「オス同士の結婚までの道のり」が描かれています。
絵本発売から40万部超のベストセラーになりました。
というのも、ウサギの飼い主であるペンス副大統領は同性婚に反対という人物だったからです。

絵本の物語は、「だれもが幸せになれる権利がある」というメッセージが込められています。
愛する人を愛せる世界にするため、友達を応援する優しさも描かれていますね。
レッド あかくてあおいクレヨンのはなし
あらすじ・内容
本当は青いクレヨンなのに赤いラベルをはられた「レッド」。多様性をクレヨンの色で表現するアイディアが抜群で年齢を超えて理解され、自分自身を発見することがいかに大切かを話しあうきっかけとなる絵本です。
Amazonより引用
感想・見どころ
LGBTについて描かれているわけではないのですが、間接的に多様なあり方を表現している絵本ですね。
中身は青なのに赤いラベルを貼られているクレヨンが主人公です。
赤いものを描こうとしてもできない。クレヨンの苦悩、心情がありありと読み取れます。
周りも自分のことをレッドだと信じているし、自分自身もはレッドだと思い込んでいるんですよ。
本当はブルーなのに。
周りから「アナタはこうあるべき」という姿を押し付けられていることって日常でもありますよね。

村娘と王女
あらすじ・内容
あるとき遠い王国で、王子の花嫁をさがすための舞踏会に、強くて勇敢な娘が招待されました。しかし、彼女はほかの女の子たちと違って、舞踏会に出席したくありませんでした。母親に説得されてお城へ出かけた彼女は、出席していた全員―村人たちから王と王妃まで―に強い印象を与えましたが、最後には思ってもみなかった場所で、真実の愛を見つけるのです。
Amazonより引用
感想・見どころ
わたしはまだこの絵本を読んだことがないのですが、設定がいいなと思いました。
同性カップルのファンタジー映画ってないので!
ツイートで感想を見つけたので貼り付けておきますね。
村娘、王子のことは兄のようにしか思えず舞踏会も全然気が進まない。そこに「王子がふさわしい相手じゃなくても別の出会いがあるかもしれないでしょう」と促した村娘の母、最初は余計なお世話😑と思ったけどグッジョブ。国王一家が黒人なのも、娘と王女が弓矢や刀持って冒険に出かけるのもめっちゃ良い pic.twitter.com/ts8ejdRIcC
— 816 (@bookworm8163) October 18, 2020

同シリーズで「王子と騎士」もあります。
「村娘と王女」は童話っぽいデザインなのに対して「王子と騎士」は今風なデザインになっています。
あおいらくだ
あらすじ・内容
旅に出たあおいらくだ。ある日、茶色いらくだと出会います。 最初はお互いの違いに驚き、とまどいつつも、違うことの楽しさ、素晴らしさに気づいていきます。
Amazonより引用
感想・見どころ
つい先日(2020年9月現在)、発売されたので早速購入してみました。

振り返ってみると、わたしは子どもの頃から人とは違う人生を歩んできました。
それは単純に「みんなと同じ」になれなかったからです。
あの時、誰かが「人と違うからこそ楽しいじゃん!」と教えてくれていたら。
読んだあとに優しい気持ちになれる絵本でした。
王さまと王さま
あらすじ・内容
王子さまとお姫さまの物語でなく、王子さまと王子さまが結ばれるお話があっていい──。
LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)をテーマにした絵本です。
Amazonより引用
感想・見どころ
原作はオランダの『Koning & Koning』です。
実はわたしもまだ読んだことがないんですが、タイトル通り「ふたりの王さま」が登場します。
世界9言語に翻訳されているので、読んでみたい絵本のひとつです。
ランスとロットのさがしもの
あらすじ・内容
騎士のランスとロットは、いつもいっしょに世界中を旅したりして楽しく暮らしていました。でも、二人が暮らすお城に帰ると、そこは誰もいない静かで、空っぽで、寒い場所でした。二人は何かが欠けていると感じます。 そして、何日も考えた末、二人は家族を作る「冒険」に出発したのです。 二人の王子さまが恋して結ばれる『王さまと王さま』の作者が次に作った物語は、二人の父親が子どもに愛情を注ぐ、家族の愛のお話です。
Amazonより引用
感想・見どころ
著者は「王さまと王さま」と同じリンダ・ハーンです。
レビューを読むと、どうやら「王さまと王さま」の続編だそう!
これは2冊同時購入した方が良さげなのではと思っています。
ふたりのパパとヴィオレット
あらすじ・内容
パパが一家にふたりいたら、変?おかしい?
男どうしで夫婦になるなんて、何かの病気?
でもヴィオレットなら「ちっともおかしくないわ」と言うでしょう。
「パパとダディーはわたしが大好きで、わたしもふたりのことが大好き。みんなの家族と同じなの」と。
“家族って、何?”
どんな家庭も抱えるこの問いにシンプルな答えを与えてくれる、とある一家の物語です。
Amazonより引用
感想・見どころ
主人公のヴィオレットは学校で「ふたりのパパがいること」をからかわれ深く傷つくのですが、
LGBT家庭に生まれた子どもなら体験しそうなストーリーだったのでリアルでした。
ヴィオレットの言葉が深くささります。
「パパとダディーはわたしが大好きで、わたしもふたりのことが大好き。みんなの家族と同じなの」
「家族とは?」を深く考えさせてくれる絵本です。
まざっちゃおう
あらすじ・内容
仲良く一緒に暮らしていた、赤、黄、青の三色。ある日突然、自分の色が一番だと言い始めて…。色がまざりあうことで、新しい色が生まれるという希望にあふれたストーリーです。自分とちがうものを受け入れることで、新しい発見や誕生がある、という共生の大切さを描いており、子どもから大人まで、さまざまな読み取り方ができる作品です。
Amazonより引用
感想・見どころ
個人的に絵がそこまで好みじゃなかったので購入を迷ったのですが、買って大正解でした。
LGBTを直接的に描いた絵本ではないのですが、LGBT差別や人種差別などに当てはめて読むことができました。
テーマは「自分とは違う他人との共存」です。
最初は自分の「色」だけが正しいとそれぞれが主張するのですが、だんだんと自分とちがう「色」や新しい「色」を受け入れていく物語です。
子どもに分かりやすく伝えられるのが良かったです!!

たまごちゃんたびににでる
あらすじ・内容
ママのおなかのなかは、あたたかくてきもちいいなぁ…でももうすぐそとのせかいにでなくてはいけない。どんな“かぞく”にうまれるのかなぁ…。
Amazonより引用
感想・見どころ
「たまごちゃんたびににでる」はイタリアで話題になった絵本ですね。
「どんなおうちに生まれるんだろう?」と心配になったたまごちゃんが、いろんな家を見て歩く物語。
たまごちゃんの表情が豊かなので、なんかワクワクさせてくれます。
ママがふたりいる猫の家族やパパがふたりいるペンギンの家族、全然似ていないカンガルーのパパとママなど、
様々な家族が登場します。
「同じ家族はひとつもないんだな〜」と自然に当たり前に教えてくれます。
わたしはあかねこ
あらすじ・内容
わたしはあかねこ。とうさん、かあさん、きょうだいたちとぜんぜんにてないけのいろだけど、わたしはこのいろきれいでかわいくってすきだったの。でも…。
Amazonより引用
感想・見どころ
親やきょうだいが、良かれと思って白や黒にしようとするけれど、主人公のあかねこは「そのままがいい」と。
人と違うことに胸を張って、自分を愛すことの大切さが描かれていると思いました。
心に響いたフレーズは
みんなのことは大好きだけど、私らしさをわかってくれないのは悲しい
です。
直接LGBT表現はないけど、多様性を認めることがテーマになっています。
オレンジいろのペンギン
あらすじ・内容
かみさまは、どうしてぼくをオレンジいろにしたんだろう?このおはなしは、ジェイムズというちょっぴりかわったペンギンのこのおはなしです。
Amazonより引用
感想・見どころ
ペンギンのジェイムズはオレンジ色に生まれ、周囲から「なぜオレンジ色なの?」と聞かれはしますが、
差別されることはなく物語は進みます。
心を痛めるような描写はないので、とても読みやすいです。
「わからないけど、この色が気に入っている」と答えるジェイムズを誇らしく思えました。
最終的にはなぜオレンジ色だったのかわかるような物語になっています。
「生まれてきたことに意味がある」と感じさせてくれる絵本でした。
LGBTや多様性がわかるオススメの絵本まとめ
絵本から学べることって無限に広がります。
物語、イラスト、文章から、たくさんのことを吸収できる子どもたち。
でも実はわたしたち大人も絵本から学べることってあるんだなと気付かされます。
「ちがい」を理解し尊重しあう子どもに育てていきたい。
「なんであの子は人と違うの?」「なんでわたしは人と違うの?」そんな疑問がわきあがる時に、読んでおきたい。

ちなみにわたしが一番好きなのはこの絵本▼
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。