ここ10年ほどでストリートダンス界は急成長してきましたが、果たして「ダンスで食べていく」ことは可能なのでしょうか。
少し前までは「ダンサー」が職業としては認知されてはおらず、今でも「ダンスで生計を立てるなんて無理なんじゃ?」と思っている人も多いかと思います。
ダンススタジオを経営する私が「ダンスで食べていく方法」を提示したいと思います。
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ダンサーになる方法・ダンサーになるには?
最初に述べておきたいのですが、ダンサーとして、つまりパフォーマンスをするだけで生活していくのは難しいです。
あなたのダンスを見るためにファンが何万人も、何百万人も集まってくれるのであれば話は別ですよ!
でも、きっとそんな人はほんの一握り。
わたし自身もダンスで食べていけるのか不安を抱えた10代を過ごしました。
答え:ダンスに関連することを幅広くやれ!
結論をもう先に言います。
ダンスに関連することを幅広くやることで、ダンスで食べていけるようになります!
ダンスに関連する職業
まず、ダンスに関連する職業をざっとカテゴライズするとこんな感じになります。
- イベントや舞台で踊るダンサー
- ダンススタジオや専門学校、スポーツジムで教えるダンスインストラクター
- ダンスバトルを主なフィールドとするバトラー
- ダンスバトルやコンテストののジャッジをする審査員
- CMやフラッシュモブなどで創作する振り付け師
- 歌手のツアーやコンサートで踊るバックダンサー
- ダンススタジオを運営するオーナー
- ダンスイベントを企画するオーガナイザー
- ダンスチームのTシャツやグッズを売るダンサー兼デザイナー
- ダンスの教え方講座を動画で発信するユーチューバー
ご覧のとおり、一口にダンサーと言ってもそれぞれ活躍する場が全く違ったり、全く別のスキルを要するんですね!
人それぞれ特性が違うので。
「子どもに大人気のダンス講師だけど、人と合わせながら踊るバックダンサーはできない」って人もいます。
「ダンサーとしては素晴らしい実績を残しているけど、インストラクターとしてはイマイチ」って人もいます。
はたまた、「イベントで踊ってもあまりお金にはなってないんだけど、ダンスの教え方講座のユーチューブが何百万回も見られて収益になっている」って人もいます。
つまり現状としては「踊るだけ」じゃお金にはなりにくいから、多くのダンサーが「インストラクターとして教えること」や別分野を掛け持ちしてマネタイズをしているわけなんですね。
ダンサーになるには自分の特性や個性をよく知り、それを活かしながら、マネタイズする方法を考えることが大事になってきます。
「全部ができてダンサーだ!」と言う人も中にはいるかもしれませんが、それもその通りで自分ができる分野が幅広い方がもちろん可能性(収益)は広がります。
ダンスインストラクターになるには?
こんな文章が目に入りました。
今後、若手ダンサーにスペースが空く日がくるとしたら、なんらかの形でベテランダンサーが絶滅する他ありません。
この記事についてもう少し説明すると、
今のダンス界は大御所ダンサーが多すぎて若手ダンサーのスペースがない問題があるという内容でした。
ダンス界は、40代のベテランダンサー層が分厚く、20代30代の若手ダンサーが食い込むスペースがないということです。
お笑い芸人なんかもそうですね。ベテラン芸人が引退しない限り、若手芸人のテレビの枠がくることはない。だから彼らはテレビ以外での活躍の場を作るのが必須だったり。
- ベテランダンサーが引退し、インストラクターの枠が空くのを待つ
- 自分で集客して個人でダンススタジオを運営
有名ダンススタジオで働きたいのなら「インストラクターの枠が空くのを待つ」ということですが、ほぼ不可能。
なぜなら、空きが出たとしてもベテランダンサーの一番弟子、二番弟子なるものが存在していて、後任が決まっているケースがほとんどなんですね。
まあ逆を言えば、ベテランダンサーのレッスンに毎週行き、ダンスの仕事情報をもらい、仕事を受け渡してもらうことも方法としてはあるわけです。
複数のダンススタジオやスポーツジムなどを掛け持ちしてダンス講師として活動している人もいますね。
もしくは、ダンスコンテストで実績を残してダンスチームとして売り込み、ダンススタジオ側から「うちのダンススタジオで教えませんか?」とオファーを受ける。
これはダンスチームを一緒に組めるメンバーがいれば成り立ちます。ダンサーとして日本で有名になるには「ダンスディライト」という大会で優勝するのが王道です。
わたしはダンスチームが上手くいかなかったので無理でした。
あとは超有名ダンサーの菅原小春さんようにYoutubeで世界に知れ渡ったという方法。YouTube、Instagramで自分のダンスを発信するのもテクノロジー(SNS)が進化した現代ならではの方法と言えます。
とりあえず求人情報に登録しておくこともオススメ▼
地元でダンススタジオをやってみる
後者の「自分でダンススタジオを運営」の可能性を考えてみましょう。ダンスインストラクターの求人がなければ、自分でダンススタジオを作っちゃおう!という話です。
結論から先に言うと簡単ではありません。
でも、できます。
地方には「ダンス習ってみたいけど、遠いから通えない」という人がかなり存在しています。
ダンスに興味があるけど習えなかった子どもがいる場所で、ダンス教室を運営する、というのは需要と供給がドンズバでマッチします。
まさに、上記の理由が成功するキッカケなんですよね。
わたしはカナダにある人口4000人の村で手作りのダンススタジオをオープンしました。
実は、何人生徒が集まるかわからない状態で始めたのですが、今では子ども、ティーン、大人クラス合わせて30人ほど通ってきてくれています。
特にこの村はダウンタウンに行くまでに車で往復2時間ほど、運転する家族の負担も大きいですよね。
子どもも一定数いることがわかり、需要と供給が一致したケースだと思います。
最近は50、60代ヒップホップも流行しているので、子どもが近所にいない場合でも需要はあります。
ダンススタジオを開いてから仕事がさらに増えた
わたしの場合は地元の子どもたちと繋がったことで、ダンスに関連する仕事が多く入るようになってきました。
- 子どもの誕生日会でダンスを教える
- 学校での出張ダンスレッスン
- タレントショーの振り付け
- フラッシュモブの振り付け
- イベントにダンサーとして呼ばれる
- プライベートレッスン など
新しいことを始めることで、何かがまた始まる。そういう連鎖を体感しています。
かつて不登校だったわたしは今、子どもたちと関わることで「あの時に出会っていたかった大人になりたい」と思っているんです。
一度だけ来た子も、初日からずっと通って来てくれている子も、サマーキャンプだけ参加した子も、口コミでやってきた子も、大人になってダンス始めた方も、色々います。
何人来るかもわからない不安と共に叶えた夢だから、来てくれる一人ひとりに、みんなのことをサポートしてくれる家族の方に、いつもありがとうって思っているんです。
自分の夢を叶えてくれてありがとうって。
夢を叶えるのは簡単じゃない。間違えることだってあるし、悩むことだってあるし。でも、リスクなしに叶う夢なんてない。
そこさえ覚悟が決まっちゃえば、あとは進むだけ。
わたしのように賃貸スタジオでやるのはリスクが高すぎるので、そこまでやる必要はないと思います。
例えば、公民館やコミュニティーセンターは安く借りられますよね。
ダンススタジオの作り方はこちらの記事もどうぞ▼
<下に続く>
バックダンサーになるには?
バックダンサーとは、アーティストと一緒に舞台で踊る人のことです。
舞台に限らず、CMやPV(プロモーション・ビデオ)、映画なども含まれます。
例えば、アニメーションダンサーを日本に広めた「はむつんサーブ」というダンスチームに所属している「りきっちょさん」と「だーよしさん」はマドンナのPVに初の日本人ダンサーとして抜擢されました。
また、ダンサーのTAKAHIROさんはマドンナのワールドツアー専属ダンサーでしたね。
バックダンサーになるにはオーディションに参加して受かることです。
バックダンサーの求人情報
自分の好きなアーティストのHPでツアーダンサーを募集していないか確認したり、ツイッターのハッシュタグ「#バックダンサー募集」で検索したり、ダンスの先生から情報をもらったりしてオーディションを探します。
バックダンサーを募集しているアーティスト一覧
- 青山テルマ
- SMAPやV6などのジャニーズ
- DA PAMP
- 安室奈美恵
- 東方神起
- ケミストリー
- 加藤ミリヤ
- 三浦大知
- KREVA
- ナオトインティライミ
- 浜崎あゆみ
- 倖田來未
- きゃりーぱみゅぱみゅ
- 西野カナ
- E-girls など
また、海外のアーティストも必ず欠かさずにチェックしましょう。
- ヒップホップアーティスト全般
- Mariah Carey(マライア・キャリー)
- Stevie Hoang(スティービー・ホアン)
- Bobby Valentino(ボビー・バレンチノ)
- Britney Spears(ブリトニー・スピアーズ)
- Macklemore(マックルモア)
- Janet Jackson(ジェネット・ジャクソン)
- Katy Perry(ケイティ・ペリー)
- Bruno Mars(ブルノ・マーズ)など
ダンス映画「Step Up(ステップアップ)」にも日本人ダンサーが出演していますね。以前、オーディションが開催されていました。
待っているだけじゃ何も始まらないので、自分で情報を取りに行く!
求人サイトに登録しておくのも忘れずに▼
ディズニーのダンサーになるには?
ディズニーのダンサーになる方法もバックダンサーと似ています。
オーディションに行き合格することです。
ディズニーランド・ディズニーシーだけでなく、世界にあるデイズニーワールドや船ディズニー・クルーズでも随時ダンサーを募集しています。
日本では毎年春に「東京ディズニーリゾート エンターテイナーオーディション」が開催されますね。
書類審査→1次審査(ダンス)→2次審査(ダンス・表現)→3次審査(面接)と進んでいきます。
テーマパークのダンサーになるにはヒップホップやブレイクダンスよりもジャズダンスやクラシックバレエが有利になります。
ダンサーの収入事情・給料
ダンサーの給料、気になりますよね?ほとんどのダンサーが様々なダンスの仕事を掛け持ちして生計を立てています。
ジャンルごとにザッと給料を載せておきます。ピンキリなので自分の実力と運でかなり左右される部分もありますが、参考までに。
ダンスインストラクター講師の給料
ダンスレッスンを教えるのがダンスインストラクターですね。またダンスの発表会の企画をしたり準備も含まれます。
1レッスン60分〜90分のレッスンです。
ダンスインストラクター講師の給料は以下が相場です。
- 時給3000〜1万円
- 月収10万~30万円
- 年収100万〜300万円
ダンスに関連する仕事の中でもっとも安定しているお仕事になります。
バックダンサーの給料
バックダンサーはツアーごとの契約である場合がほとんどです。ツアーが終わったらバックダンサーも終了する流れになります。
以下が相場です。
- リハや練習の日給:6000〜1万円
- 1コンサート:3万~
マドンナのバックダンサーをつとめたTakahirohさんは1回で100万円だったそう。
ディズニーのダンサーの給料
ディズニーダンサーも基本的に1年契約。1年ごとに更新する流れになります。
以下が相場です。
- ダンサー時給:1300円
- キャラクター時給:1200円
意外と少ないですね。夢あるお仕事ですが、なかなか厳しい世界です。
自分の特性を知ることが超重要
ダンスで生計を立てるのが難しいと感じている人が多いのも事実です。
自分の特性を知ることです。
自分の特性を活かしながら、自分にしかできないことを提供すること、もしくは誰でもできるのに他の人はまだやっていないことをすること。
これからの時代すごく必要になってくると思います。
ダンスチームのTシャツやグッズなどをダンスイベントで販売している人もいますよね。
それもひとつのマネタイズの方法です。
最初のうちは自分の特性がわからないので、なんでもやってみるのがいいと思います。
ダンスを踊るのは好きだけど、「教えるのが下手だからダンスの先生になるには無理そう…」って思っていても、講師として慣れてきたら意外と合ってるってこともあります。
また、「バックダンサーは絶対やだ!」って思っていても給料がめちゃくちゃ良ければやってみようかなって思えるかもしれない。
やってみることで新たに仕事を紹介してもらえたり、自分の本当にやりたいことが見えてきます。
こういうのは、いろいろダンス関連の仕事を経験していく中で、ようやく「自分に合ったマネタイズ方法」が見つかってくるのです。
わたしもダンスで初めてお金をいただけた時のことは今でも鮮明に覚えています。自分の好きなことでお金をいただけるのは本当に嬉しいですよね。
そしてダンスと並行しながら、ダンス以外で好きなことを見つけてほしいです。どんどんチャレンジしてほしいのです。
そうすることで自分のオリジナルが生まれてきやすくなるからです。
自分の特性を知る方法
自分の特性を知るにはグッドポイント診断がおすすめ。
グッドポイント診断とはリクナビが提供している自己分析サービスです。
わかることは以下です。
- 18種類の性格特徴から「自分の5つの強み」
- 自分の意外な一面
- 自分の長所・短所
これからダンスに関連する仕事を探す人にとって超必須作業です。
上手なダンサーをめざすな。個性的なダンサーをめざせ!
上手なダンサーってもう山ほどいるんですよね。だから他の人がやってないことに着目するのがいい。
教え方を工夫するとか。
わたしはものづくりが好きなのでダンススタジオは手作りです。自分で考えたダンスゲームも実践しています。
音楽の編集にもこだわります。自分の得意なこと、好きなことをダンスに活かせるようになると、もっと楽しくなるんです。
ダンス音楽の編集の仕事を頼まれることもあるんですよー!
他のダンサーやダンススタジオとは何が違うのか。
ダンスの仕事って踊るだけじゃないんですよーってこと。手に職をつけるっていいですよ。
わたしも進化し続けていきたい。
クリエイティブであれ!
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記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
以上、まどぅー(@madocanada)でした。