子どもや幼児にダンスを教えるコツやポイントを具体的にまとめました。
「子どもにダンスを教えるのって難しい!」と思っている先生に必見記事です!
- ヒップホップダンスを初心者キッズに教える
- 保育園・幼稚園のお遊戯会で幼児にダンスを教える
- 小学校の運動会で子どもにダンスを教える
- 発達障害の子どもに教える
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ダンスって楽しい!って思ってもらうことが大事
子どもにも色々な子どもがいますよね。
例えば…
- 先生に言われたことをできる子
- 動きをフォローできる子
- レッスンに集中できる子
- 振り覚えが早い子
もしも上記の特徴を持った子どもばかりが集まれば、「ダンスを教えること」って簡単なんですよね。
子どもが踊らないのには理由がある
子どもが踊らない/踊ってくれないのには必ず理由があります。
- ダンスステップが難しすぎる
- ダンスレッスンがつまらない
- 踊ることが恥ずかしい
- 集中力が続かない・飽きる
- 親や先生がやらせている
- 他のことに興味がある
ダンスステップが難しすぎて楽しめなかったり。
お遊戯会でやりたくもないダンスをさせられている可能性があったり。本当は踊りたいけど恥ずかしかったり。
子どもにも理由があるんですね。
「踊りなさい!」とか「真似しなさい!」とか厳しく子どもたちをコントロールする先生たちもいますが、そんな方法は必要ないんです。
幼児や初めてダンスを習う子どもにとっては「ダンスの楽しみ方」をまだ知らない場合が多いというだけのこと。
わたしたちダンス講師は「教えよう」「上達させよう」「パフォーマンスさせよう」と思いがち。
ですが、根本的にはトレーニングをさせるのではなく、「楽しい!」と思える瞬間を何度も作ってあげることが子どもにとって大事なんですよ。
子どもが走り回ってしまう、集中してくれないなどの問題がある場合、まずは「ダンスって楽しい」って思ってもらうことを目標にしましょう!
そしてだんだんレベルアップしていくと、効率よく上達させることができるんです。
ダンスの教え方のコツ・ポイントまとめ
ダンスの教え方のコツとポイントをまとめました。
結論からいうと、以下が超大事になってきます!!
- 簡単な動きを教える
- 長い振り付けは数回に分ける
- 曲を短くする
- 説明を工夫する
- 子どもと同じ向きで踊る
- 「何回踊る?」と目標を決めてもらう
- 飽きる前に切り上げる
- ダンスステップの名前を教える
- ダンスゲームをする
- 振り付けを子どもに考えてもらう
- フリースタイルを取り入れる
- 先生が一番楽しんでダンスする
- 踊らない・踊りたくない子どもは強制させない
とても単純なのですが、子どもが踊りたくない理由とは反対のことをすれば解決するんですね!
つまり、ダンスステップが難しすぎて飽きてしまうなら「簡単な動き」から教えて達成感を感じてもらえばいいし、
ダンスレッスンがつまらないなら、ダンスゲームを取り入れればいい。
大人が「上手だね・下手だね」という言葉を使わなければ、誰かと比べたり「踊ることが恥ずかしい」という思考にはならないし、
集中力が続かなかったり飽きちゃうなら、飽きる前に切り上げる。
親や先生がやらせるのではなく、子どもの意思を尊重する。
これらのことを頭に入れておけば、ダンスを教えるのって簡単なんです。踊らない子や振り付けができない子にイライラすることもないしね。
<下に続く>
簡単な動きを教える
ダンスステップが難しすぎると、子どもは自分にはできないと思い込んで諦めてしまいます。
まずはどの子どもも簡単に習得できるダンスステップを紹介しますね。
①ジャンプ
ジャンプって子どもたちの生活の延長線上にあるんですよ。
階段をジャンプしながら降りたり、水たまりに飛び込んだり、縄跳びで遊んだり。
膝を曲げることさえできれば、どの子どもたちもジャンプすることができますよね。誰でも簡単にできるので振り付けに入れることができるし、リズムの基礎にもなっています。
また、ジャンプを使ってアレンジされたダンスステップはこんなものがあります▼
②ニースライド
スペースを確保できるならニースライドがおすすめです。膝ですべる動きのことですね。
子どもに教えましたが、超楽しそうにやってくれます。ちょっと活発な子ども向けの動きです。
③ヒップスピン
ヒップスピンは文字通り、お尻で回ること。
難易度が低いのがメリット。幼児から小学校低学年向けの動きです▼
④手を使う系
足を使った動きよりも、手を使った動きの方が覚えやすいです。
例えば、ヒップホップの「クラブステップ」は初心者や子どもには難易度が高め。「クラブステップ」のような足技は1日では習得するのが難しく、集中力がいるからです。
あと、なぜか足が絡まってしまう子どもが多い。
例えば、数年前に流行った「マルモリダンス」や、2020年の応援ソングの「パプリカダンス」を見るとわかりますが、手を使った振り付けがメインになってます。
複雑な足の動きが一切ないんです。
このように子どもが「簡単に真似できる動き」を取り入れながら振り付けを作るのがオススメです。
子どもが諦めてしまう前に「できた!」と達成感を感じてもらうのってすごく大事。
長い振り付けは数回に分ける
長い振り付けを教える場合は、数回に分けて教えましょう。
覚えられず脱落してしまう子どもが確実にいるので。はじめのうちは振り付けもできるだけ簡単に。
曲を短くする
流行りのダンスを教える場合は、曲を編集して短くしてしまうのもいいですね。
説明を工夫する
ダンスを教えるのが下手な先生って、説明が下手なんです。
例えば、右や左の区別がついてない子どもに「右手から〜」と言っても伝わりません。
数の数え方をきちんとわかっていない子どもにカウントだけで押し進めても、これまた伝わりません。
それよりも「くるくるパッパを2回だよ〜!」とか「パンチパンチジャンプだよ〜」と説明する方がぐんとわかりやすくなります。
また「空気を触るように〜」とか「ロボットみたいに〜」とか例えるのがいい。
子どもと同じ向きで踊る
鏡がない場合は子どもと同じ向きで踊るのが鉄則。
向かい合って教える場合は自分の動きを左右反転にします。
2人の先生がいるなら1人は子どもと同じ向き、もう1人は左右反転させて子どもと向かい合ってもいいですね。
「さいごに何回踊る?」と目標を決めてもらう
振り付けをひと通り教え終わったら、「さいごに何回踊る?」と子どもに聞いてみます。
わたしはサイコロを使って何回踊るか決めています。これがけっこう盛り上がるんです。どんな数字が出ても反応してくれます。
子どもが飽きる前に切り上げるor空気を変える
子どもの集中力が切れる前にダンスレッスンを切り上げるのもコツ。
グループごとに分けて教えたり、場の空気を変えるのもおすすめです。
ダンスステップの名前を教える
いきなり長い振り付けを覚えてもらうのが無理なら、ダンスステップの名前をちょっとずつ教えていくほうが効果的です。
わたしのダンスレッスンではAからZまでのアルファベット順にダンスステップを習得していきます。
ポストイットにダンスのステップの名前を書いて壁に貼っています▼
アルファベット順のダンスステップ例
こんなダンスステップがあります▼
- ATL Stomp (エーティーエルストンプ)
- Biz Markie(ビズマーキー)
- Coffee Grinder(コーヒーグラインダー)
- Down (ダウン)
- Easy Bridge (イージーブリッジ)
- Floss(フロス)
- Get Down (ゲットダウン)
名前を教えて覚えてくれると、「次はビズマーキーだよ!」と言っただけで振り付けもすぐに覚えてくれるんですよ。
また習得できたダンスステップを集めて自分のノートに貼っていくと、達成感も感じてもらえます。
ダンスゲームやアクティビティをする
「振り付けをただ覚えさせるだけ」のダンスレッスンって正直、子どもにはツマラナイんです。
いろんなダンスゲームやアクティビティを通して「ダンスって楽しい!」と思ってもらえたらこっちのモノ♪
境界線ゲーム
わたしは様々なダンスゲームを取り入れてダンスレッスンをしています。
先生が2つのダンスステップを言い、生徒は2つのうち1つのダンスステップを選びます。
ランニングマンをしたい人はこっち側、ヒップスピンをしたい人は反対側に集まって〜!
「ヨーイ始め!」の掛け声で自分たちが選んだダンスステップをしてもらいます。たったそれだけなのにとても盛り上がるんです。
先生が出題したあとは、子どもたちにも出題してもらいます。
このように色んなゲームやアクティビティを取り入れながら「ダンスを身近に」感じてもらうのも方法です。
参考になる本▼
この本はダンスに特化しているアクティビティではないんですが、子どもの心を掴むのに最適なアクティビティが盛りだくさんです。本当に目から鱗のゲームが多いです。
わたしはこの本を参考に自分でアレンジしてダンスに関連するアクティビティを作っていますよ。
振り付けを子どもに考えてもらう
「子どもたちの考える力」を育てていくために、自分たちで振り付けを作ってもらう時間を作っています。
「振り付けを自分たちで作って」と言っても勿論できません。
小さな紙に「ダンスステップの名前」を書きます。
紙を適当な袋にいれ、子どもたちにくじ引き感覚でひいてもらいます。
グループを組んで、「紙に書かれているステップを必ず使って、自分たちで振り付けを考えて」とだけ伝えるんです。
困っているグループには「何回このステップするの?」とか「どのステップを最初にする?」とか「最後のポーズは?」など声かけをして、グループをまわります。
中には「このステップが先」「このステップは最後」などと意見が対立してしまうグループもあったのですが。
しかし、どのグループも自分たちで振り付けを作ることができました。
決められた振り付けを覚えさせる「受動的なダンスレッスン」より、自分たちで振り付けを考える「主体的なダンスレッスン」が楽しいのです。
フリースタイルを取り入れる
フリースタイルとは音楽に合わせてアドリブに踊ることです。
自由に踊ることができない子って「周りからジャッジされる怖さ」や「自信がない」ことがほとんどの理由なんですよ。
「大人や周りはジャッジしない」ことを子どもがわかっていたら、自由に踊ってくれます。
まずは音楽を1曲かけて「好きなように踊ってみて〜」と言い、子どもの自主性に任せます。
それこそ楽しく自由に踊ってくれますが、最初は音にも合ってないし、それはダンスなのか?という動きももちろん出てきますよ(笑)
でも、最初はそれでいい。楽しむことが最優先なので。それに「ダンス=振り付け」じゃないからです。
そこから徐々に、「いつも同じ動きしてるから習ったステップも取り入れたら?」とか「この音楽にはバタフライステップ合いそうだよ」と自由に踊っている子どもに話しかけていくんです。
すると、まだまだ引き出しは少ないですが、習ったステップを取り入れてフリースタイルを踊る子が出てきました。
先生が一番楽しんでダンスする
先生が一番楽しむ!これが基本です。
教えている先生が楽しそうじゃなかったら、子どもは楽しめないですからね!
踊らない・踊りたくない子どもは強制させない
さて、それでもどうしてもダンスが苦手な子も中にはいますよね。
親が習わせたいから嫌々ながらダンスレッスンに通っているだけだったり、お遊戯会や運動会で決まりだからと先生がやらせていたり。
嫌なことがあって落ち込んでいて踊る気分になれなかったり。
どんな時でも必ず子どもの意思を尊重します。
だって「みんなと同じ」である必要はないですよね。
それも子どもの個性。あんまり気にする必要はありません。
みんなが楽しそうにやっていれば「やっぱり踊ろうかな」って思う子もいるし、気分がのったら戻ってくる子もいる。レッスンが終わった後に踊り始める子もいるし(笑)
ただ単純に大人から構ってほしいだけの子もいるし。
学校や幼稚園だと強制的にダンスさせられることもあるけど、「ダンスを見る」という選択肢があっても良いわけです。
大人から「踊りなさい」と言われて踊るダンスほどツマラナイものはないです。そんなダンス誰も見たくないですよね。
子どもが踊ってくれないと悩んでいるなら、まずは「なぜ子どもに踊らせたいのか?」を考える必要があります。
ダンスの教え方のコツやポイントまとめ
ダンスを教えるのって「振り付けを覚えてもらうだけじゃない」んですよね。パフォーマンスをさせることが目的になってしまうと忘れがちです。
子どもの想像力を養ったり、自信を持つキッカケになったり、無限の可能性を秘めているのがダンスです。
わたしたちは子どもたちから日々学んでいる。そんな意識を忘れない先生でいたいです。
以上、まどぅー(@madocanada)でした。