日本でLGBTQ+という言葉が広まるようになったのはつい数年前のことですよね。
LGBTQ+当事者への理解は以前より進んでいるように思えます。
ですが、実際には同等の人権は与えてもらっておらず、さらに「LGBTQ+の自殺率が高い」という調査結果で出ています。
家族や友人だけでなく、テレビやメディア、多くの日本の政治家が差別発言をし、当事者を苦しめています。
なぜLGBTQ+の自殺率が高いのか?
「自殺が多い8つの理由」と「命を守るためにできること」をまとめました。
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LGBTQ+の自殺率が高いという調査結果
15〜39歳の若者の死因理由で最も多いのが「自殺」です。(厚生労働省の統計より)
さらに付け足すと、「LGBTQ+当事者はそうじゃない人よりも自殺率が6倍高い」という調査結果が出ているんですよ。(京都大の調査結果より)
LGBTQ+当事者の半数は差別的な発言を受けていると回答しています。(人権擁護に関する世論調査より)
なぜ自殺が後を絶たないのか、なぜ追い込まれてしまうのか。
「LGBTQ+の生きづらさ」についてまとめました。
①身近である家族や友人がサポートしてくれるとは限らない
LGBTQ+当事者が本当に大変だと思うのは、親や家族・友達がサポートしてくれるとは限らないこと。
特に子どもの時は、居場所が家か学校の二択しかありませんよね。
家でも学校でも自分のことを理解してくれる人がいない状況。「誰も味方がいない」と孤独になる可能性が非常に高いんです。
事実、親と絶縁した友人も多くいますし、友人にアウティングされて自死してしまった事例もあります。
「親のサポートが得られない子どもは自殺する可能性が高い」という結果に心が痛みます。
だからこそ、できるだけLGBTQ+の子どもが安心して暮らせる社会を次世代に残したい。
家と学校以外で居場所があれば助かる命があります。
②差別的言動に直面する機会が不意になんどもある
何気なく過ごしていても、LGBTQ+に対する差別的言動や行動は不意になんどもあります。
いちばん多いのはマイクロアグレッションと呼ばれる差別のタイプです。
例えば以下のようなこと。
このようなマイクロアグレッションによって、LGBTQ+当事者は「バレたらどうしよう」と心に不安を抱えていたり、カミングアウトできず苦しみます。
<下に続く>
③誰が信頼できる人なのかわからず、相談できない
LGBTQ+当事者は身近に相談できる人がいないケースがほとんど。
なぜかというと、相談する相手が正しいLGBTQ+の情報を持っているのかはわからないから。
政治家でさえも間違った情報を信じ込み、嘘を広めていますよね。(政治家の差別発言まとめ)
LGBTQ+は外見から判断することが難しいので、自分と同じような境遇の人もなかなか見つけることができない。
今でこそネットで情報を集めることができますが、
SNSやニュースのコメント欄はネガティブな情報も存在するので、何が真実かわからず絶望感を感じやすくなります。
カミングアウトしづらく、一人で抱え込んでしまい、結果として自死に繋がってしまっているわけです。
LGBTQ+アライをあらわす方法
LGBTQ+に理解のある人をLGBTQ+アライと言いますが、相手がLGBTQ+アライかどうかを見極める方法もあります。
LGBTQ+アライの人はレインボーのステッカーをスマホやPCに貼っています。
また、LGBTQ+フレンドリーの場所にはレインボーフラッグが掲げられていたり、レインボーのステッカーが貼ってあるんですよ。
レストランやカフェ、カウンセラー室のドアにレインボーステッカーを貼ってある場合も。
④カミングアウトが受け入れられなかった経験がある
勇気を出してカミングアウトを決意しても、受け入れられなかったり、アウティングされた人は数え切れないほどいます。
その経験がトラウマになって、生きる希望を失っている場合もあります。
また運よく受け入れられたとしても、カミングアウトは1回きりではなく、新しい人に出会うたびに続きます。
わたし自身、ブログやSNSを通してカミングアウトをしていますが、未だに予期せぬ場面でカミングアウトを強いられるんですよ。
人生でなんどもカミングアウトをしなければならないのは負担でしかないですよね。
カミングアウトに関する本
「自分には関係のないこと」と思い込んでいる人にこそ、手にとっていただきたい本を紹介しておきます。
カミングアウトレターズ▼
子を持つ親、教育に携わる先生たちには特に読んでほしいです。
これからカミングアウトを聞くことになるかもしれない可能性は誰にでもあるから。
書評は別記事に書いたので気になる人はチェックしてみてくださいね〜。
⑤間違った知識や情報が蔓延している
最近は肯定的な考えを持つ人が増えてきたようにも感じます。
でもその一方で街頭でヘイトスピーチが行なわれていたり、間違った情報が目立つのも事実。
一部の中学校の教科書には「思春期になったら異性にひかれる」といったことが書かれています。
日本の学校教育で『全ての人が異性愛』なんて言われたら、当事者はどん底に突き落とされますよ。
だって「教科書に書かれていることが間違っている」なんて誰も思わないし。
学校の先生も親も理解してくれない。まさに八方塞がり。
この本オススメ▼
⑥よって自己肯定感の低さが生まれる
他人から否定され、家族に理解されず、学校に居場所がなく、テレビやメディアでは間違った情報が流れ、
日常的にマイクロアグレッションを受ける。
そんな生活を幼少期から何十年と経験していると、自己肯定感が低くなるのも当たり前。
自己肯定感つまり「自分はここに存在していていい」と思える感覚って、周りから愛され認められ肯定されてだんだん積み重なっていくもの。
反対に「自分は存在してはいけない」という感覚って、周りからバカにされ笑われ否定されて生まれますよね。
自ら命を絶つほどにまでLGBTQ+当事者が追い込まれているのは、周りから理解されにくい現状により自己肯定感が下がっているためなんです。
⑦大人になっても生きづらい現状がある
LGBTQ+当事者にとって、就職活動は人生の一大イベントです。
いくつかのアンケート結果に出てるんですけど、例えば「就職のときに非常に困難に感じましたか?」という問いに、レズビアン、ゲイ、バイセクシャルの44パーセントが「非常に難しかった」と回答している。 logmibizより引用
LGBTQ+研修を積極的に取り入れている企業はまだ少なく、カミングアウトをしたことで解雇されたり、出世できなかったケースがあるのは事実です。
NPO法人虹色ダイバーシティが調査を行なったところ、LGBTQ+は一般より転職率が高いことが分かっています。
それもそのはず、LGBTQ+に理解がない職場だと、入社した後にマイクロアグレッションを受ける可能性が高いですよね。
就活中も以下のようなことに悩みながら就職活動を始めなければなりません。
- 面接でカミングアウトすべき?
- 履歴書の男女欄どっちに丸をつけよう?
- 同性同士でも福利厚生は適用されるの?
さらに職場では「結婚考えている?」「好きな異性のタイプは?」など、カミングアウトしていない中で、プライベートなことを根掘り葉掘り聞かれます。
大人になったら解決する悩みではなく、大人になっても生きづらさが続きます。
⑧なかなか制度が変わらない
2019年2月14日、同性婚を求める13組の同性カップルが国を一斉提訴しました。(現在裁判中)
LGBTという言葉が浸透して時代は変わってきた!!
果たして本当にそうでしょうか?
まだまだ無関心な人は一定数いるし、具体的に自分ではどうしようもできない現状は少なからずあります。
精神的なサポートが必要なだけでなく、以下のような現実的な問題があるので、すぐに解決には至らないのです。
- トランスジェンダーであれば、手術を受けなければ戸籍上の性別を変えれらない
- パートナーと法的に家族として認められない
- 同性同士ではマンションの入居を拒否される
- 外国人パートナーの配偶者ビザがおりない
- パートナーに財産や遺産相続ができない
- 子どもの親権や養育権が認められないetc
法律が変わらないかぎり何も出来ないですよね。
自分の力だけでは状況を変えられないので、無力感と失望感に苛まれます。
同性婚訴訟を応援する方法
愛する人同士が同じ国で暮らせるように、パートナーや子どもの命に関わる時にそばにいられるように、同性同士でも安心して暮らせるように、
ぜひ、応援してほしい。
署名は以下からできます▼
→日本でも同性婚を!だれもが「愛する人との結婚」を選べる社会にするために、私たちの訴訟を応援してください!
命を守るためにアライができること
こうした理由からLGBTQ+当事者は生きづらさを抱えていることが多いのです。
中には異性愛者になりすまして生活する人もいますが、ガンバりすぎて結果的に追い込まれてしまっているんですよね…。
命を守るためにLGBTQ+アライとしてできることをまとめました!!性別や性的指向で差別をしない具体的なアクションです。
- 「男の子/女の子だから」と性別を理由にしない
- 性別で呼ばない→名前で呼ぶ
- 目の前でセクシャルマイノリティの人が笑われていたら阻止する
- または一緒になって笑わない
- テレビやYouTube、メディアの間違った情報を鵜呑みにしない
- 「彼氏/彼女」「夫/妻」など異性愛を限定する言葉を使わない
- 上記の理由から「パートナー、恋人、付き合っている人」などと言葉を変換する
- 第三者にアウティングしない
- 他人のセクシュアリティを憶測で判断しネタにしない
- 「もしかしてソッチ系?」などと揶揄しない
- 結婚の有無や子どもの有無を安易に聞かない
- 「ホモ・レズ・オカマ」は差別用語に認定されているので使わない
- 「ゲイってこう」など決めつけない
今すぐにできることがたくさんありますよね。
無意識のうちに誰かを傷つけないためにもマイクロアグレッションという概念を知っている大人が増えるといいなと思います。
わたし自身も「価値観のアップデート」を続けていきたい。
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
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