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同性婚した私に「旦那さま」はいない!パートナーという言葉が日本で浸透してほしい。

まどぅー
カナダで同性婚をした、まどぅー(➠プロフィールはこちら)です。

空港での手続きの際に何度も「旦那さま」と空港スタッフに言われた会話が続きました。

マイノリティの生きにくさは、ちょっとした一言の積み重ねなんだな…と感じたお話です。

前置き

わたしは2016年6月にカナダ人の女性と国際同性婚をしています。

 

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空港でスーツケースの配送ミスがわかる

キム
わーい!まどぅーの家族に会えるねー!
まどぅー
ね!楽しみだね〜!

こんな会話をしながらカナダから日本へ一時帰国した時の出来事です。

羽田空港に到着すると、わたしとキムは別々のレーンに並びます。

キムはカナダ人であり日本の永住権は持っていないので「外国人」の列に、

わたしは日本のパスポートを所有しているので「日本人」の列です。

日本では同性婚ができないので、キムが配偶者扱いになることがないからです。

「日本人」の列はガラガラに空いていて、「外国人」の列は様々な国から来た人で長蛇の列ができていたんですよ。

まどぅー
キムの入国審査に時間かかるかもなぁ〜。

そう思いながら、先に日本に入国したわたしは、預けていたスーツケースを探しにいきました。

荷物受け取りレーンに行ってみると、数名の乗客の名前が書かれた貼り紙を見つけたんですよね。

よくよく目を凝らして見てみると、キムの名前が書かれていました。

まどぅー
・・・なぜキムの名前が?

「パートナー」と言ってるのに「旦那」と言い直される

じっと貼り紙を見つめていると、空港スタッフに話しかけられました。

スタッフ
お名前は書かれていますでしょうか?
まどぅー
いえ、わたしの名前は書かれていないんですが、パートナーの名前が書かれています。
スタッフ
ご友人のお名前ですか?
まどぅー
いえ、友人ではなくパートナーです。
スタッフ
パートナー??
まどぅー
結婚しているので「パートナー」と呼んでいるんです。
スタッフ
あ、なるほど!

パートナーという響きに慣れていないのか、なんだか理解されていない!?すでに嫌な予感しかない…

スタッフ
お客さまの荷物の配送ミスがありまして、スーツケースが羽田空港に届いていないんです。

どうやら、スーツケースが北京から日本にうまく配送されなかったようなんです。

紙に名前が書かれている乗客7人のスーツケースはまだ北京にあるそう。

まどぅー
あ、そうなんですね。どうすればいいんですか?
スタッフ
旦那さまの入国審査が終わり次第、受付けで配送手続きをお願いしています。
まどぅー
あ、えっと、はい、わかりました。パートナーが到着したら受付けに伺いますね。
スタッフ
お手数おかけします。

まぁ、こんな会話が繰り広げられました。

「パートナー」とハッキリと何度も伝えても、「旦那」とわざわざ言い換えられる始末…。

悪気はない小さな差別のことを「マイクロアグレッション」と言います。

これはLGBT+当事者が日常的に受ける差別の一種でなんです。

きっとマジョリティ(大多数)だったら「旦那さま」と言われても違和感はないですよね。

でもマイノリティにとっての生きにくさは、そういう何気ない一言の積み重ねなのだと感じました。

「同性婚してるので旦那ではなくパートナーと呼んでいただけますか?」このたったの一言がいつも言えない。

理由は簡単です。

怖いから。

こんなにブログを通して大々的にカミングアウトを済ませてもなお、怖いんです。

差別されるのが?白い目で見られるのが?よくわからないけど、複雑な気持ちになります。

事実としてはLGBT+はまだ笑われる対象であり、イジメの対象だということ。

「また説明しなきゃいけないのか」という気持ちも多少なりともあったと思う。

キリのないカミングアウトをいつまで続けなきゃいけないんだろう。

まどぅー
そんな絶望もちょっぴりあります。

あと、見ず知らずの人にいきなりカミングアウトする勇気はなかったんですよね…。

わたしはラッキーなことに家族からも周りの友人からも理解されています。

しかし、異性愛を前提とした言葉は社会のあらゆる場面で投げかけられています。

そのたびに「理解されない存在なんだな」と思っている当事者はたくさんいるはず。
 

配送の手続きでも「旦那さま」と言われ続ける

しばらくすると、同じ空港スタッフが戻ってきてこう言いました。

スタッフ
ご家族の方でしたら、奥さまの代筆が可能ということでした。旦那さまに代わって書類の手続きをなさいますか?
まどぅー
あ、そうなんですね。ではわたしが代筆します。

受け付けはこんな感じ。

↑受付け

渡された書類に名前や住所を書いていきます。

↑配送手続きの書類

それから、どんなスーツケースなのか聞かれ、空港スタッフが記入していきました。(色やサイズなど)

↑スタッフが書き込む

パスポートのコピーも預けました。

スタッフ
お荷物の半券は旦那さまがお持ちですか?
まどぅー
はい…パートナーが持っています。
スタッフ
では旦那さまが到着次第、お荷物の半券のコピーをとらせていただきますね!

パートナーってこんなにも言ってるのに、「旦那」と直される。

もはや途中から笑えてくるレベルですよ…。

パートナーのキムが入国審査を終えて到着!

そうこう手続きをしていると、入国審査を終えたキムがやってきました。

キム
まどぅー!お待たせ〜!
まどぅー
あ、キムー!おつかれ!

空港スタッフは、キムを見るやいなやハッとした顔をしていました。やっと女性と気づいた様子でしたね。

とりあえず、荷物は2日後の朝に実家に配送してくれることになりました。

同性婚ができない日本で、代筆が断られるケースもあるのでは?

わたしはキムの家族として代筆を行なうことができました。

それはスタッフがずっとパートナーが異性であると思い込んでいたからです。(そして特に証明確認もなかったし)

しかし、日本では同性婚ができないですよね。(結婚の自由をすべての人に訴訟は継続中)

カナダでは既婚者として法的に扱われますが、わたしの日本の戸籍は「独身」のままです。

キムを見て、空港スタッフの方がどう思ったのかわかりません。

女性と結婚していると思ってなかったことは確かですが。

同性婚ができない日本ではこういった場面で代筆を断られるケースもあるのかなと思いました。

まどぅー
事実、同性同士のパートナーでは病院の面会を断られたり、アパートの入居を拒否されることがあるので。
 

<下に続く>


異性愛が前提の社会を変えたい

キムは「なぜ日本に来たのか?」という質問に対して、未だに「観光」と答えなければいけない現状もあります。

同性婚が認められていない日本では、「妻の家族に会いに来ました」が通じないのです。

まどぅー
まぁ、「パートナー」という言葉も伝わらないくらいですからね。

空港という国際的な場所で働くなら、せめてグローバルな視点で人に接してほしいなと思いました。

今回わたしは、「旦那ではなくパートナーと言っていただけますか?」のひと言が言えませんでした。

こんな出来事があるたびに、次回こそは言うぞ!と思うのですが。

カミングアウトって未だに難しい。

最近、カミングアウト・レターズという本を読みました。

カミングアウトする方とされる方の、どんな心境だったのか「手紙でのやりとりをまとめた内容」になっています。

当事者の方にも、そして、これからふとした瞬間に思わぬカミングアウトを聞くことになるかもしれない全ての人に読んでほしいです。

言葉の持つ力は大きい。

以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。

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