同性婚を反対する理由として「少子化が進む」という意見があります。
はっきりと書いておきたいのですが、同性婚と少子化を結びつけるデータはどこにもありません。
この記事では「同性婚と少子化は無関係であること」をお話しさせてください。
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「同性婚を認めると少子化が進む」は大間違い
先日、こんなツイートをしたところ、かなりの反響がありました。
カナダは2005年から同性婚ができるようになり15年経ちますが、高齢者と子どもの割合は同じくらいです。同性婚と少子化は関係ない証拠。
— まどぅー@旅するダンサー🌈👶👶 (@madocanada) September 16, 2020
わたしが住むカナダでは2005年から同性婚ができるようになりました。
カナダの高齢者の割合は17.5%で、0歳~14歳の子どもは16%なので、若者と高齢者の割合はほぼ同じです。(参考リンク)
日本は世界でもっとも高齢者が多い国のひとつで、65歳以上の割合は28%、子どもは12%です。(参考リンク)
日本は38年連続で子どもの数が減少しています。
一方、カナダは同性婚が施行された2005年から現在までの出生率は横ばい。
ドイツやアイスランドも同じように横ばいで、同性婚が理由で子どもが減少したというデータはありませんでした。(参考リンク)
世界銀行のデータを基に出生率を比較すると、同性婚を許容しながら出生率が上がった国はオランダ、ベルギー、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フランス、フィンランドが挙げられました。
反対に出生率が下がった国はスペインや南アフリカ、メキシコやポルトガル。(参考リンク)
このように統計から考えても、「同性婚を施行されたら少子化になる」という根拠やデータはないのです。
<下に続く>
考えられる少子化の原因は?
少子化の原因は一般的に以下が重なって起きると言われています。
- 過労により心の余裕がない
- 金銭面の余裕がない
- 若者の自殺率が高い
- 非正規雇用の増加
- ハードワークで仕事との両立が困難
- 結婚や家族に対する価値観の変化
- 子どもを産み育てやすい環境でない
- 不妊治療の理解がない
同性婚ができないからといって異性と結婚する訳ではない
同性が好きな人は「同性婚ができないなら異性と結婚して子ども作ろう!」という思考にはならないんですよね。
異性が好きな人だって、「同性婚ができるようになったのなら同性と結婚しよう!」という思考にはならないのと同じです。
「同性同士の人がなんのために婚姻を求めているのかわからない」という意見を聞くこともありますが、
「愛する人と結ばれたい、愛する人と結婚したい」と思うことの何がダメなんでしょう。
2016年に同性パートナーと結婚式を挙げましたが、式前には「結婚式は大きくしなくてもいいんじゃない?」と言われたこともあります。
異性カップルだったら絶対に言われないことですよね。
同性婚が認められると、既に制度がなくて困っている人が平等な権利を得ることができるようになるんです。
日本で同性婚が必要な理由。認めるべき理由と認められない理由とは?より引用。
少子化対策のために結婚する人っているの?
異性同士で結婚を決めた方だって、少子化対策のために結婚する人なんていないのでは?と。
わたしたちは国家の繁栄を維持するために結婚・出産するわけじゃないし、生産性のために結婚するわけじゃない。
愛する人と生涯支え合って生きていきたいから結婚という選択をするのですよね。
(わたしたちのような同性カップルはそもそもその「選択」ができない)
それに異性カップルで子どもを持たない選択の人たちがいるし、なんらかの事情で子どもが欲しくてもできないカップルもいます。
同性カップルで子育てしている人たちもいます。
高齢で再婚する人もいるし、結婚せず子どもを育てている人たちもいます。
「結婚制度」と「子どもを産み育てること」は切り離して考えるべきなのは明らかです。
それなのに同性婚を反対する日本政府からの解答が「結婚制度は子孫繁栄のため」だなんて。。。
日本が同性婚を反対する理由として、婚姻制度は「子孫繁栄のためだから」という解答に思わず絶句した。同性婚反対の理由として「子どもを作れないから結婚してはいけません」というのが理由。異性カップルだって「子どもを産み育てること」を前提として結婚を決める人ってなかなかいないのにね。
— まどぅー@旅するダンサー🌈👶👶 (@madocanada) September 17, 2020
「生物学的に〜」とか「自然に〜」とか「伝統的な家族は〜」という言葉は結局のところ、LGBTQ+を排除をする目的のために使われています。
制度が整ったら守られる家族がたくさんいるのに。。
もっともらしい理由をつけて同性婚を反対したいだけなんです。
だいたい人口の5%ほどしかいないのだから、「LGBTQ+当事者が国を滅ぼす」なんて暴論すぎ!って思います。
「同性カップルは少子化に貢献しない!」と言われようもんなら、同性同士で子どもを持ち実際に子育てしている我が家はどうなんでしょう。
同性同士で子どもを授かって子育てしている人は世界中にいるし、もちろん日本にもいる。異性カップルで子どもがいない夫婦だってたくさんいる。結婚と子どもを産み育てることは無関係なのは明らか。どうしても少子化を同性愛者のせいにして反対したいだけなんだと思う。
— まどぅー🏳️🌈旅するダンサー👶👶 (@madocanada) April 2, 2021
とまぁ、少子化の話を持ち出されると、「同性カップルで子育てしている人もいるよ」と反論したくなってしまうんですが、
もちろん、「子育てしている人が価値がある」ということを言いたいわけではありません。
日本では不妊治療も養子縁組も「婚姻している男女」のみが対象ですが、
わたしが住んでいるカナダでは
結婚していてもしていなくても、パートナーがいない未婚シングルも、
同性カップル異性カップルも不妊治療が受けられます。養子縁組の申請もできます。
カナダでは異性同性に関わらず、子育てしたい人に選択肢があるんです。
子育てはしたい人がすればいいし、そういう環境を社会で作っていけたらいいのになって思う。
参考になる論文
同性婚と少子化が無関係であるという論文も見つけました。
同性婚が施行されたら幸せな人が増えるだけ
同性婚ができるようになったデンマークとスウェーデンでは若者の自殺率が大幅に減少したという研究結果が発表されました。(参考リンク:同性婚が認められたデンマークとスウェーデン自死率が大幅に減少/BMJ journal)
日本では15〜39歳の若者の死因理由で最も多いのが「自殺」です。(厚生労働省の統計より)
別記事でも述べていますが、京都大の調査では「LGBTQ+当事者はそうじゃない人よりも自殺率が6倍高い」という調査結果も出ています。
もしも日本で同性婚ができるようになったら、自分のセクシュアリティで悩む若者が減り自殺率も減少すると思うんですよね。
同性婚が施行されたら権利が保障されて幸せな人が増えるだけ。
同性と結婚したい人が選択できるようになるだけ。
異性と結婚したい人は、これまで通り異性と結婚できるんです。
少子化を同性愛者のせいにして、ヘイトを撒き散らすんじゃなくて、
性別とか婚姻の有無とかに関わらず、
子育てしたい人を金銭的にも精神的にもサポートして、社会に育てる環境を整えたほうがずっといいと思う。
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
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