2019年2月14日、同性婚を求める13組の同性カップルが、国を一斉提訴しました。
「結婚の自由をすべての人に訴訟」といいます。
現在も裁判は継続中ですが、国からの回答は「想定していません」の一点張りです。
なぜ日本で同性婚が認められないのか?裁判中の国からの回答をまとめました。
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「結婚の自由をすべての人に訴訟」とは?
婚姻の平等を求めて同性カップル13組が国を提訴しました。
「結婚の自由をすべての人に訴訟」といいます。
この訴訟については別記事にまとめているので、今回は説明を省きますね。
くわしく知りたい方はこちらへ▼
なぜ同性間の結婚を認める必要があるのか?
なぜ同性婚が必要なの?についても別記事にまとめています▼
日本で同性婚が認められない理由
「結婚の自由をすべての人に訴訟」では、
憲法14条の「法の下の平等」に反していることや、憲法24条の「婚姻の自由」が侵害されていることなどが争点になっています。
しかし、裁判では国からの回答はいずれも理不尽なものばかりです。
- 同性カップルは想定していないから
- 伝統的な結婚制度が破壊されるから
- 結婚制度は「子孫繁栄」のためだから
- 同性愛者も異性と結婚できるから
上記の回答は、LGBT+当事者である原告の方たちが実際に国から言い渡されたものです。
上記の回答について詳しく説明していきます。
①想定していない
国からの回答は「同性婚に関しては想定していない」と一点張りなんです。
「結婚の自由をすべての人に訴訟」は2019年が提訴日でしたが、
それよりも前の2015年に「同性婚を認めないことは、人権侵害である」と国に勧告してもらおうというプロジェクトが動き出していました。
「同性婚が法制化されたら、結婚することを希望する人」は全国で455人集まり、実際に提出もされているんです。
今でも各自治体のパートナーシップ制度を利用する同性カップルはどんどん増えているし、
「同性のパートナーと一緒に生きていきたい!」と望んでる人はたくさんいます。
それを「想定していないので」のひとことで済ませるんですか…?
目の前に存在しているのだから、「想定してください」としか言えませんよ。。
こんな残酷な回答ってあるんだ…と絶句します。
社会は多数派の人だけのためじゃないんだから。
②伝統的な結婚制度が破壊される
お父さんがひとり、お母さんがひとり、男の子がひとり、女の子がひとりいる家庭?
シングルマザーやファザー、祖父母に育てられている子ども、里親や養子、LGBT+の親を持つ子ども。
どれも家族のあり方ですよね。それに、こうした家族はもうすでに存在しているわけで、制度が整ったら守られる家族がいる。
「こういう家族が幸せ」なんて他人から決められることではないし、ましてや国が決めるものでもないはず。
選択的夫婦(ふうふ)別姓でも同じような解答をしていましたね。
苗字が違うと家族が崩壊するから別姓は認めないと。
差別をなくすことや平等な人権を与えることが、どうして「家族制度を崩壊させる」という考えになるのか全くもって理解不能です。
日本の総理大臣が「多様性を認める日本社会を!」なんてスピーチで発言していましたが、
憲法って国民の人権を保証するものであるはずなのに。
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③結婚制度は「子孫繁栄」のため
結婚・婚姻制度は「子孫繁栄」のためという解答に思わず絶句しました。
同性婚反対の理由として、「同性カップルは子どもを作れないから結婚してはいけません」というのが理由なわけです。
結婚したからって子どもがいない夫婦なんて大勢いますよね。高齢で再婚する人もいますし。
人間の価値を生産性ではかられる筋合いもないわけで。(杉田議員の生産性発言もあったね)
というか、同性カップルだけど、我が家は子どもいるし!!って思わずツッコミたくなります。
子どもがいなかったら生産性がないと言われ、子どもがいるといったら同性同士の親なんてかわいそうだと言われる。地の果てから理由を探しては排除される。身勝手に「普通」を押し付けないでほしいし、幸せを奪わないでほしい。
— まどぅー🏳️🌈旅するダンサー👶👶 (@madocanada) October 9, 2020
同性婚を認めたら少子化に繋がるのでは?という意見もありますが、そんなデータはどこにもありません。
カナダでは2005年から同性婚ができますが、少子化には繋がっていないんです。
同性同士で子どもを持つ家族がすでにいることからも、結婚制度と少子化は全くの別問題ということも理解しておかなくてはいけません。
④同性愛者も異性と結婚できるから
また、裁判で国側はこんな回答もしています。
「同性愛者も異性と結婚できるから不平等ではない」
この謎回答にひっくり返りました。。
異性と結婚したいわけじゃなく、そもそも同性と結婚したいから訴訟を起こしてるわけなんですけど?
同性婚が認められたとしても、異性愛者の人が「じゃあ同性と結婚しよう!」ともならないわけですし。
結婚って自分が一緒にいたいと思う人、愛する人とすべきものであるはず。
そこに「同性が好きでも異性とは結婚できるんだから別に尊厳は傷つけていない」という主張だそう。
同性と結婚したい人に「異性と結婚する婚姻制度」の利用を保障してなんの意味があるのでしょうか?
加藤丈晴弁護士の意見陳述には、上記の国の主張へ分かりやすく反論されていました。
日本で同性婚が認められない理由まとめ
この記事では「日本で同性婚が認められない理由」をまとめました。
「結婚の自由をすべての人に訴訟」は現在も継続中です。
国民の注目度によって判決が変わると言われています。
自分には関係ないことだからどうでもいいと思うのではなく、
自分には関係ないことだけど多様に生きる人が増えてほしいと思える人が少しでも増えたら、絶対に社会は変わります。
補足
2021年3月17日に、札幌地裁(武部知子裁判長)で「憲法14条の法の下の平等に反している」と違憲判決が下されました。
詳しくはこちらの記事に▼
結婚の自由をすべての人に訴訟についてはこちらの記事を▼
日本で同性婚が必要な理由はこちらから▼
裁判の争点はこちらから▼
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。