以前から気になっていた本「カミングアウト・レターズ」を読みました。
LGBT当事者が、自分のセクシャアリティを相手に打ち明けること。
「カミングアウト・レターズ」は子どもから親へ、生徒から先生へのカミングアウトをした時や後の手紙のやりとりを載せている本です。
「自分には関係のないこと」と思い込んでいる人にこそ、手にとっていただきたいです!!
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カミングアウトをやりとりした7組19通の手紙
「カミングアウト・レターズ」が他のLGBT本とひと味違うのは、カミングアウトする側、される側の両者の気持ちが書かれていること。
本の中では様々なケースのカミングアウトが紹介されています。
実際に書かれた手紙であることから、より近い部分で心を重ねることができるのです。
両者それぞれの葛藤や絶望、受容がリアルに書かれた作品です。
カミングアウト・レターズの一番の読みどころ
カミングアウト・レターズではLGBT当事者の心情がありありと読み取れます。
- カミングアウトしたら親を苦しめるんじゃないか?
- ありのままの自分を受け入れてもらえるだろうか?
- 拒絶されたらどうしよう?
わたし自身、当事者として重なる部分があったので読みながら何度も涙ぐみました。
しかし、この本はLGBT当事者の体験だけが書かれているわけではないんですよ。
実際にカミングアウトされた親や先生の気持ちも知ることができるのです。
グサッと刺さった一文があります。
あの時はただ、「母さん、俺、人を殺してしまった」と言われたみたいに、怖くて怖くて。
引用:カミングアウトレターズ21ページより
これは息子から「俺、ゲイやねん」と告白された母親の最初の感情です。
このお母さんは、のちにこう語っています。
あなたが生まれた時に「他人の痛みがわかる優しい子に育ってほしい」と思いました。でもあなたからまさにそのことを学ぶなんて、不思議なものです。引用:カミングアウトレターズ27ページより
カミングアウトはして終わり、されて終わり、という簡単なものではないですが、両者の手紙のやりとりが読めることで感情移入できる部分がたくさんあります。
当事者であっても当事者でなくても、オススメの一冊です。
書評「カミングアウト・レターズ」まとめ
カミングアウト・レターズは「誰もがカミングアウトすべき」とプレッシャーを与えたり、「誰もがすぐに受け入れるべき」と強制させる書ではありません。
「こんなエピソードもあるよ〜」とゆったり色んな話を読むことができ、かつ実話ということが学びを深めるのです。
子を持つ親、教育に携わる先生たちには特に読んでほしいです。
そして、自分には関係のないことだと思っている人にこそ。
これからカミングアウトを聞くことになるかもしれない可能性は誰にでもあるから。
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。