わたしはカナダでダンススタジオを運営しています。
ダンスを教えている中で、「ダンスクラスに自分以外の女の子が1人もいない」から辞めたいと言った子がいたんですよ。
本記事は「意味なく男女に分ける社会」が子どもに悪影響を与えているという話です。
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クラスに自分以外に「女の子がいない」からダンスを辞めたいと言われた
ダンススタジオに通って来てくれている7歳の女の子。1年間通って来てくれて、少しづつ上達してきました。
始めたばかりの頃はすぐに疲れてしまっていたけど、最近は体力も集中力もついてきた様子でした。
そんなときに彼女がこう言ったんですよ。
実際には彼女に直接言われたわけではなく、彼女の親に言われたんですけどね。
確かにわたしの6〜8歳のクラスは男の子がめっちゃ多い。
8割が男の子なんです。反対に9歳より上のクラスは女の子が多く、男の子が少ない。
カナダは日本に比べて男女平等が進んでいるし、同性婚もできるLGBT+フレンドリーな国です。
個人が尊重されている環境でも、「女の子(男の子)ひとりだと恥ずかしい」という気持ちが芽生えるんだと衝撃でした。
まだまだ社会からの抑圧はあるのかもしれません。
グループを作るときに男女に分かれたがる生徒たち
他にもこんなことがありました。
グループに分かれて、それぞれ振り付けを考えてもらおうとした時のことです。
ハッキリとした理由はないんですよ。
女の子(男の子)が嫌いなわけでもなく、普段は男女関係なく学校でも遊んでいるそう。
そう言ったら、すぐに納得してくれましたが。
踊るのに性別って関係ない
ダンスに限らずですが、何かを始めるときに性別が邪魔をするのって切ないですよね。
わたしは3歳から15歳までバレエを習っていたんですが、同じクラスには男の子がいました。
彼は「バレエを習っていること」を学校の友達に隠していました。
「男のくせにバレエなんて」と言われイジめられる社会だったからです。
宗教上、女の人とは踊れないとか、男女のパートがあるダンスはもちろん存在します。
だけど、性別でやりたいことが決まるんじゃなく、個人の気持ちがもっと尊重される世の中になってほしいと思う。
社会から執拗に「男・女」であることを求められている
子どもって親や学校、テレビや社会から考えや価値観を学んでいきますよね。
何色を好きだっていいはずなのに、女はピンク、男は青や黒という偏見も社会から生み出されたものです。
未だに学校では、必要がない場面でも男女に分けられたりします。
「泣くなよ、男だろ」「女のくせに気が利かない」などという言葉も日常的に使われています。
こういう表現を使うことで誰かをディスるかたちで性別を利用していいんだと、子どもは学んでいるんですよね。
それに加えて、様々なところから執拗以上に男であること、女であることが常に求められています。
だから結果的に、子どもたち自身も男女に分かれたがったり、女の子(男の子)ひとりじゃ嫌だという思考になっているんです。
子どもの教育を学校任せにすると、こんな危険性もあります▼
わたしたち大人ができること
ダンスをやめたいと言った女の子の話に戻りますが、「ダンス好きなの?」と聞くと「好き」と即答したんですよね。
好きなら、性別がどうこうでやめるなんてマジでもったいない!
別記事でも書いたのですが、習い事を続けるのってめっちゃ大変なんですよ。
10年続けないと、芽が出ないとも言われていますから。でも、性別を理由にやめてしまうなんて悲しいですよ。
これはもう、わたしたち大人がつくった社会の問題に直結していると思うんです。
「男の子でしょ、女の子でしょ」なんて言葉は使わない。
好きなことを性別のせいで諦めてしまわないように。
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。