マンスプレイニングという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
マンスプレイニングとは「女性は無知」と決めつけ、男性が偉そうに説明をしたり説教をしたりすることです。
日本で女性差別やセクハラが頻繁に起こるのは、男尊女卑思想が原因だと確信しています。
マンスプレイニングの被害が多いのもうなづけますよね…。4つの具体例を紹介します。
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マンスプレイニングとは?
マンスプレイニングとは文字通り、男性が女性に対して偉そうに説明するハラスメントの一種です。
言い換えると、知的ハラスメントとも呼ばれていますね。
マンスプレイニングの意味・概念
もっと詳しく説明すると、相手の女性が既に知っていることを「知らないから教えてやろう」と上から目線で解説するのがマンスプレイニングです。
とても有名な例があります。
男性が女性に「マンスプレイニングって知ってる?」と聞き、その女性は「はい、知っています」と答えたのにも関わらず、
男性が「マンスプレイニングっていうのはね〜」と説明し始めるんです。
(さらに詳しい事例は後述しています)
マンスプレイニングの英語・語源
マンスプレイニングは英語でmansplainingと表記されます。
男性を意味する「man」と、説明を意味する「explain」を掛け合わせた言葉です。
マンスプレイニングの略
日本では略してマンスプと呼ばれることもありますね。
マンスプレイニングが広まることになった本
マンスプレイングが広まるきっかけになった1冊の本があります。
作家レベッカ・ソルニットの書籍「説教したがる男たち(Men Explain Things to Me)」です。
作家であるレベッカさんがパーティーにて「この本知っている?」と聞かれ、答える間もなく著書について長々と解説されたのですが、
「レベッカさんがその本の著者である」と男性が気付いて驚愕するという話です。
マンスプレイニングの具体例
Twitterで検索をかけると、マンスプレイニングの被害にあった女性が多くいることがわかりました。
実際にあったマンスプレイニングをいくつか紹介しますね。
<下に続く>
マンスプレイニング事例①作家
昨日イベント終わりでランチに。楽しく時間は過ぎ、小説と翻訳の話などを女性2人で話していたら、ふたつ隣の席の50代くらいの男性が元気よく「ちょっといいですか」って声をかけてきて、私たちの文脈に被せていきなり自分の知ってることを話し始めた。
— 川上未映子 (@mieko_kawakami) October 9, 2020
上記のツイッターは芥川賞受賞している作家の川上未映子さんに対して、文学を教えようとする男性の例です。
女性は無知であると決めつけ、知識をひけらかす典型的なマンスプレイニングと言えるでしょう。
マンスプレイニング事例②ポテトサラダ
「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」の声に驚いて振り向くと、惣菜コーナーで高齢の男性と、幼児連れの女性。男性はサッサと立ち去ったけど、女性は惣菜パックを手にして俯いたまま。
私は咄嗟に娘を連れて、女性の目の前でポテトサラダ買った。2パックも買った。大丈夫ですよと念じながら。— みつばち (@mitsu_bachi_bee) July 7, 2020
上記のツイッターは38万を超えるリツイートがつき、「ポテサラ論争」と呼ばれ話題になりました。
家庭の事情も知らない見知らぬ男性が「母親はこうあるべき」と概念を押し付け、怒鳴る。
「ポテトサラダくらい」と手間のかかる惣菜だともわからずに。
このように「男性が偉そうに女性に教えるような発言」もマンスプレイニングです。
マンスプレイニング事例③
ひと月ほど前、子供と散歩に行ったら、道行くおじいさんに「赤ん坊のうちからジーパンをはかせるのはよくない。統計的に礼儀を知らない子供に育つから。」と教えられた。ジーパンにそんな魔力がそなわってるとは知らなんだよー。しかしそんな酔狂な統計、誰がいつの間にとってたのか。
— 唐沢なをき (@nawokikarasawa) December 8, 2014
上記も見知らぬ女性へ説教したがる男性の例です。
余計なお世話ですね。
マンスプレイニング事例④
ちょっと違うんですけど私も前に病院の待ち合いで当時2歳の娘と絵本を読んで順番を待ってたら高齢の男性に「ボソボソ読まずもっとはっきり読んであげなさい、親がしっかり言葉を教えてあげないと」って注意されたことがあります。なんだかとっても納得いかなかったです。
— spring (@sunspring518) July 8, 2020
良かれと思ってする不要なお節介がマンスプレイニングという場合も多いですね。
「もしかしたらあれもマンスプレニングだったのかも?」と気づく人もいるかもしれません。
ちなみにマンスプレイニングは見知らぬ人からだけでなく、自分の父親やパートナー(夫や彼氏)など身近な人から受けることもあります。
マンスプレイニング事例⑤
わたしも以前にマンスプレイニング受けたことがあります。
とある男性から「マイクロアグレッションって知ってる?」と聞かれ、答える間もなくその言葉の意味や事例について長々と解説されたことがあるんです。
その男性はわたしが以前に執筆した記事「マイクロアグレッションとは?」のリンクを開いて画面を見せながら説明されたんですが、
「すいません、マイクロアグレッション知ってます。だって、この記事、わたしが2018年に書いたものですので…。」
と言った瞬間に青ざめていました。
相手の方はわたしがブロガーだということも、わたしがそういう用語マニアだということも知らなかったんですよね。
そのほかのマンスプレイニング事例
また、こんな例もあります。
- 相手の女性が弁護士だと思わずに、男性が自分の法律解釈を解説する
- 相手の女性が医師だと思わずに、男性患者が看護師扱いをしたり医療について解説する
- 女性の英語教師に対して男性の英語教師が教材をすすめる
- 相手の女性は環境記者であるのにも関わらず、男性が地球温暖化について解説し始める
なぜマンスプレイニングは起こるの?
なぜマンスプレイニングは起きてしまうのでしょうか?
原因を考えてみたのですが、
男性優位社会で育ち、男尊女卑の思想を持ち合わせていると、「女性は何も知らないから自分が教えてやろう」と上から目線になってしまうのでは?と。
「女性が被害妄想抱きすぎ」とか「男だからとは限らないだろう」と言う人もいますが、残念ながらその発言をする人も男性であるのが現状です。
もちろん、全ての男性がマンスプレイニングをするわけではありません。
それは前提ですが、「女性は無知であり自分より劣っている」という思い込みが、マンスプレイニングを引き起こすのです。
プロブロガー・ヨスさんの記事でもあるように、男尊女卑思想が根本的にあるのが原因です。
マンスプレイニングをする人の特徴
また、マンスプレイニングをしてしまいがちな人の特徴は以下のようなものがあります。
- 自分が絶対的に正しいと思い込んでいる
- 自分の知識を褒めてもらいたい(承認欲求)
- マウントを取ることがクセになっている
- 女性を支配したい
- 女性より優位に立ちたい
「すごいですね」と褒められることで心を満たしているので、実は自分に自信がない人が多いのも特徴です。
マンスプレイニングを受けた時の対策・対処法
わたし自身も何度かマンスプレイニングを受けたことがあります。
すでに知っている話の内容に対しても、わざわざ知らないふりをして「へ〜すごいですね〜」と言っていた時期もあります。
「相手の男性を立たせなきゃいけない」と思い込んでいたからです。
実際にマンスプレイニングの対策・対処法をまとめてみました。
- 距離を置く
- リアクションしない
- 短くコメントする
- マンスプレイニングだと伝える
マンスプレイニングの対策・対処①距離を置く
できる限り、距離を置くことに徹するのがいいですよね。
職場や学校が一緒などで毎日顔を合わせる場合は完全に撃退することが難しいですが、
わたしは「すいません、ちょっとトイレ!」などと逃げていました。
マンスプレイニングの対策・対処②リアクションしない
リアクションしないのもひとつの方法です。
以前は、「男性を立ててこそ女性の役目」などと言われていましたが、そんな時代はもう終わってます。
マンスプレイニングの対策・対処③短くコメントする
短くコメントするのも方法です。
使えるフレーズとしては、この辺でしょうか。
- 大丈夫です
- 間に合ってます
- 失礼します
「大丈夫」には幅広い意味があるので、意外と便利な言葉ですね。
マンスプレイニングの対策・対処④マンスプレイニングだと伝える
マンスプレイニングだと伝えるのも方法です。
自分で伝えにくい場合は、第三者を通して「それってマンスプレイニングですよ〜」と伝えてもらうのも対処法です。
マンスプレイニングをしているか確認する方法
自分がマンスプレイニングをしていないだろうか?と確認する方法があります。
UN WOMANの公式ツイッターによるとマンスプレイニングをしないための「自分へ問いかけ3つ」が提示されていました。
- 彼女はその情報を教えてほしいと言ったか?(Did she indicate any desire to hear this information?)
- 彼女の方が自分よりそのトピックについて詳しい可能性はあるか?(Is it possible that she knows more about this topic than I do?)
- 話し始める前に自分は場の空気を読んだか?(Did I read the room before starting to speak?)
マンスプレイニングの類語や関連語
- マンタラプション
- マンスプレッディング
- ストレートスプレイニング
- トーンポリシング
①マンタラプション
マンタラプションは英語でmanterruptionと表記されます。
語源は男性を意味する「man」と、邪魔をするの意味である「interruption」を掛け合わせた言葉です。
文字通り、男性が発言中の女性を不必要にさえぎることを「マンタラプション」と言います。
下記の動画が例です▼
いるよね、こういう男性わんさか。そこら辺のカップルとかでもよく見かける。でも、ペンスだってトランプ相手にはきっとやらないわけで、自分の方が偉いって思っていなきゃ出て来ない態度。マンスプレイニングみたいに名前がついて、皆が指摘しやすいようになると良いな。日本語だと、#邪魔ハラ とか? https://t.co/MJrHIXH9MA
— 勝部元気 Katsube Genki (@KTB_genki) October 10, 2020
②マンスプレッディング
マンスプレッディングは英語でmanspreadingと表記されます。
語源は男性を意味する「man」と、開くや広がるを意味する「spread」を掛け合わせた言葉です。
公共交通機関において男性が大きく足を広げて座る行為を「マンスプレッディング」といいます。
下記画像が例です▼
私とマンスプレッディングおっさんの違い。滲み出る人格の差。 pic.twitter.com/czzB0BPTNH
— 勝部元気 Katsube Genki (@KTB_genki) December 16, 2017
③ストレートスプレイニング
ストレートスプレイニングは英語でstraightsplainingと表記されます。
straight(ストレート:異性愛者)とexplain(説明)を掛け合わせた言葉です。
わたし自身、ストレートスプレイニングを受けたことがあります。
このケースは「マンスプレイニング」ではなく、ストレートスプレイニングだそう。異性愛者がLGBTQに対して偉そうに解説すること。
— まどぅー@旅するダンサー🌈👶👶 (@madocanada) October 11, 2020
ストレートスプレイニングとは、上記のように、異性愛者がLGBT+当事者に対して偉そうに解説し、どんな振る舞いをするべきか指図することを言います。
④トーンポリシング
トーンポリシングとは、相手の口調を非難し、話の論点をずらす行為のことです。
トーンポリシングは相手を抑圧したい時にも都合よく使われます。
詳しくは別記事に書いています▼
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
マンスプレイニングまとめ
この記事ではマンスプレイニングについて書きました。
冒頭で紹介した書籍はこちら▼
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以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
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