わたしたちは同性カップルで、ふたりママとして子どもを育てています。
そんなわたしたちの家族の物語を子どもたちに伝えたい。
その想いから、子どもの出自を伝えるオリジナル絵本を作ることに決めました。
この絵本では、わたしたちがどのように家族になったのか、そして、子どもたちがどれだけ愛されているかを伝えています。
同性カップルの親でなくても、「子どもの出自」や「家族の背景」を伝えることは、子どものアイデンティティ形成にとってとても大切です。
わたしたちの絵本作りの経験やアイデアが、どんな家庭にも役立つヒントとなれば嬉しいです。
ぜひ、読んでみてくださいね!
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なぜ子どもに出自を伝えることが重要か?
「子どもの出自」を伝えるオリジナル絵本を作ったのですが、そもそも「子どもに出自」を伝えるのってどうしてそんなに大切なんでしょう?
それは、子どもには自分の出自を知る権利があるからなんです。
これは基本的な権利と言ってもいいくらい、世界的にも広く理解されていること。
「自分がどのように生まれたのかを知りたい」というのは、自然な感情だし、自分自身をより深く理解するために必要な権利なんですよね。
さらに、早めに事実を話すことで親との信頼関係も築けるし、
子どもは「これが家族なんだ!」「自分は愛されて生まれてきたんだ!」って自信を持てるようになるはず。
子どもたちには自分の家族に誇りを持ち、他の家族と比べることなく、自分自身をしっかりと受け入れることができるようになってほしい。
わたしは、同性カップルとして子どもを持つことを決め、ふたりママになりました。
親になる前から、絵本を通して「子どもの出自」を伝えるのがいいなと考えていました。
子どもが自分のルーツを理解することで、家族の愛を実感し、他の家族の形や出自についても深い理解が得られるようになります。
同性カップルが子どもを持つ方法はいろいろありますが、どの方法を選んでも、出自を丁寧に伝えることがとても大事だと思っています。
そこで、子どもたちが幼い頃から自分の出自が理解できるように、絵本という形でわかりやすく描くことにしたのです。
「子どもの出自」を絵本で伝える理由
わたしたちは子どもの出自を伝えるために、絵本「ふたりでいっしょにせかいへ」を作りました。
こちらが絵本の表紙です。
絵本を制作した理由は、子どもたちが楽しみながら自分たちのストーリーを理解できると思ったからです。
絵本の物語とイラストを通すと、親子での対話がしやすく、
伝えたいメッセージをより深く子どもたちの心に残すことができると考えました。
世界に1冊しかない絵本は、子どもたちにとって特別な宝物になりますよ。
家族の物語や愛情を各ページに込めることができます。
「絵本作りのステップと具体的な例」
では早速、次の段落から「絵本作りのステップと具体的な作り方」を紹介します。
同性カップルの親でも、そうでない親でも、子どもに「自分のルーツや家族の物語を伝えたい」という気持ちは共通していると思います。
絵本は、そんな思いを形にする素晴らしいツールなので、ぜひこの記事を読み進めてみてくださいね。
①絵本のテーマと伝えたいメッセージを決める
まず最初に、絵本のテーマと伝えたいメッセージを決めましょう。
わたしたちが選んだ絵本のテーマは「海」です。
というのも、ママとマミーが海で出会い、海が見える場所で結婚したからです。
そして、子どもたちも海に見守られながら育ち、初めて喋った言葉も海だったんです。
「海」はわたしたち家族にとって特別な意味を持っています。
そのため、絵本の中で「海」をテーマにすることで、家族の愛やつながりを深く感じてもらいたかったのです。
テーマをひとつに絞ることで、絵本に統一感が生まれますよ。
テーマが決まったら、絵本を通して伝えたいメッセージをハッキリさせましょう。
わたしが一番伝えたいメッセージは、子どもたちへの深い愛情です。
その上で、家族が増えた喜びを、子どもたちにわかりやすく伝えられるように心がけて作りました。
②絵本のストーリーを組み立て、文章を作る
次に、絵本のストーリーを組み立て、文章を考えましょう。
わたしたちが作った絵本の流れは、ママとマミーの出会いから始まり、結婚、出産の経緯、名前の由来、そして子どもたちへのメッセージが続きます。
すべてを子どもたちが理解しやすいように組み込むのがコツ!
文章は、テーマである「海」とのつながりを意識し、子どもが理解しやすい言葉を選びました。
③絵本のイラストをデザインする
絵本のストーリーが完成したら、次はそれに合うイラストをデザインしていきましょう。
各ページにどんなイラストがふさわしいかを考えながら進めましたが、
実は、わたしたち…イラストを描くのが苦手なんです。
そこで、実際の写真をAI(MyEdit)でイラスト化して、絵本に取り入れることにしました。
このAIが本当に助けてくれて、リアルだけど少しファンタジーも感じる、そんな絶妙で完璧なイラストが完成しました。
写真をイラスト化した後は、「海を背景にした絵」に「家族のイラスト」を重ねました。
PhotoLayersというアプリが便利です。
「海」をテーマにした絵本により近づけることができましたよ!
現実感と温かみのあるデザインになり、感情もバッチリ伝わる仕上がりになりました。
④絵本の文章とイラストを組み合わせる
絵本のイラストができあがったら、考えた文章と組み合わせましょう。
使ったのはCanvaというツールです。
Canvaを使って、文章を配置していきます。
文字が読みやすくなるように、浮き出るようにフォントにエフェクトを加えました。
全体のデザインが自然にまとまるように仕上げていきます。
⑥絵本の調整と印刷
最後に、絵本の仕上げとして、いよいよ最終調整を行いましょう。
まず、物語を声に出して読み、不自然なところがないかをチェック。
「ん? ここ、ちょっと変じゃない?」なんて部分があれば、すぐに修正です。
もちろん、パートナーにも見せてフィードバックをもらい、表現を微調整。
そして、イラストの細かい部分も気になるところをibisPaint Xというアプリで修正。
ここでも細かい調整を加えて、全体に統一感を持たせました。
絵本が理想通りに仕上がって、本当に満足しています。
印刷にはカナダのVistaprintでハードカバーのフォトブックを選びました。
いや、これがまた高品質!
1冊35ドル(約3700円)でした。
ちなみに、日本のVistaprintはサービスが終了しているらしいんですけど、
しまうまプリントでハードカバーのフォトブックが作れるので、チェックしてみてくださいね。
子どもの出自を伝える!絵本作りのアドバイス
絵本作りの際に役立つアドバイスを5つお伝えしますね。
①絵本全体のテーマ設定をする
子どもの出自を伝える絵本を作る際には、ひとつの大きなテーマを設定すると統一性が生まれ、深みが出ます。
わたしたちが作った絵本のテーマは「海」。
文章やイラスト、背景に海を取り入れて、物語全体に海の要素を反映させました。
テーマを決め、文章やイラストに関連させながら物語を考えると、全体が一貫して読みやすくなるんです。
名前に使われている漢字をテーマにするのも面白い方法ですよ。
たとえば「陽(ひ)」という名前が使われている場合、
太陽の光がキラキラと輝く描写を入れたり、
文中に「光を浴びると笑顔がますます輝いてみえた」と入れることができますね。
決めたテーマに沿ってイラストと文章を考えていくんです。
他にも、「季節」をテーマにして四季折々の一年を描いたり、
家族がよく行く「場所」を舞台に物語を展開したり、
「音楽」をテーマにして歌や楽器を取り入れた世界を描くのも素敵ですね。
②出自はファンタジーを入れず、わかりやすく描く
子どもの出自を伝える絵本を作る際には、ファンタジーを入れず、わかりやすく描くのがポイントです。
たとえば、「コウノトリが運んできた」というような事実とは異なる表現は避け、実際の経緯や家族の愛を正直に伝えることが大切。
のちの性教育にも役立つことになるし、何より事実を伝えることが親との信頼関係を生むんです。
③名前の由来を物語に入れる
子どもの出自を伝える絵本を作る際には、名前の由来を物語に織り込むのもおすすめです。
名前の由来を物語に組み込むことで、子どもは自分の名前に特別な意味があることを知り、
自分自身や家族とのつながりをより深く感じることができるからです。
物語を通じて名前の由来を伝えると、記憶に残りやすく、楽しみながら学ぶことができますね!
④誕生情報を盛り込む
子どもの出自を伝える絵本を作る際には、具体的な誕生日時や体重、身長なを盛り込むのもグッド。
具体的な誕生情報を絵本に加えることで、絵本がもっと特別なものになりますよ。
下記ページは、わたしが作った絵本「ふたりでいっしょにせかいへ」のひとページです。
「生まれた時はこんなに小さかったんだよ」と話すことで会話も弾むし、
子どもは自分の誕生がどれほど大切な出来事だったかを実感できます。
家族の愛情や関心が伝わる1ページになること間違いなし。
⑤タイトルを考える
わたしが作った絵本のタイトルは「ふたりでいっしょにせかいへ」です。
このタイトルには2つの意味が込められています。
実は、わたしとパートナーは世界一周の旅で出会いました。そして、待望の赤ちゃんが双子で生まれたんです。
- 「ふたりで一緒に世界を旅したこと」
- 「ふたりで一緒に世界に生まれたこと」
この2つのスペシャルな出来事にちなんで、このタイトルを選びました。
タイトルの考え方
タイトルは絵本の内容を反映する大事な部分。
タイトルを決めるときは、以下2つのポイントを考えてみてくださいね。
- テーマやメッセージを反映させる
- シンプルで覚えやすい
たったのこれだけ。
むずかしい言葉や長すぎるタイトルは避けて、シンプルで覚えやすいものを選びましょう。
「簡単に覚えられるタイトル」が鉄則。
子どもたちが「それ、また読んで!」って言いやすくなるタイトルがいいですね。
どうしてもタイトルを考えるのがむずかしい場合は、ChatGPTを使うといくつかの提案をもらえるので便利ですよ。
テーマや物語のキーワードを入力するだけで、いくつかのアイデアを出してもらえます。
絵本のタイトルが決まらずに困っているときは、ぜひ活用してみてくださいね。
⑥絵本を多言語対応にしてみる
わたしたちが絵本を作る際に、もうひとつこだわったことがあります。
それは、バイリンガル絵本にすること。
カナダで暮らしているので、日本語と英語の両方で楽しめるようにしました。
「ふたりでいっしょにせかいへ」という日本語の絵本をひっくり返すと、「Together to the World」という英語の絵本が現れる仕組みになっています。
「子どもの出自」を伝える!絵本を読む時期はいつ?
子どもに出自を伝えるタイミングは、その子の理解力や発達段階に合わせるのが理想です。
大体の目安として、3歳までにさまざまな家族の形を紹介し、4〜5歳までには自分の生まれた経緯を伝えると、理解できるようになることが多いです。
誕生日や家族のイベントなどを利用して、自然にお話を始めるのもおすすめ。
わたしは、0〜3歳までは絵本「かぞくです」を使って家族の多様性を伝え、
3〜6歳のころには絵本「ふたりで いっしょに せかいへ」を通して自分たちの出自について理解を深めました。
子どもの成長過程に合わせて、性教育に関する絵本も取り入れていく予定です。
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実際に絵本を読んでみた子どもたちの反応
絵本「ふたりでいっしょにせかいへ」を実際に子どもたちに読み聞かせてみたところ、
子どもたちは物語に夢中になり、目を輝かせて聞いてくれました。
「これ、わたしたちのことだね!」と喜びの声をあげたり、「もういっかい読みたい!」と笑顔でリクエストしてくれたりしました。
絵本を作って本当によかった!
子どもたちが自分たちの物語に親しんでくれる姿を見るのは、本当に嬉しい瞬間です。
同性カップルが「子どもの出自」を伝える!絵本作りのまとめ
同性カップルとして子どもに出自を伝えるために、絵本を使うのは本当に効果的です!
絵本なら、子どもも楽しく読んでいるうちに家族の物語がスッと入ってくるんですよね。
わたしたちふたりママが作った絵本「ふたりでいっしょにせかいへ」も、
名前の由来や出生の経緯をしっかり伝えることができる、心がほっこりする一冊になりました。
この絵本をきっかけに、子どもたちにも自分の出自や家族について興味を持ち、自分の背景に誇りを持てるようになってほしいです。
さらに、印刷も高品質で、多言語対応だから特別なプレゼントにもぴったり!
テーマを設定して、具体的な誕生情報も加えることで、物語に深みと感動をたっぷりプラスしました。
絵本作り、ぜひ体験してみてくださいね!
もし「絵本作ってみたよ!」という方がいたらぜひInstagram(@madu_cation)へDMください♪
以上、カナダ在住のふたりママのまどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
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