2022年にカナダで家を購入しました。
この記事では、私たち同性カップルがカナダで家を購入した理由と、その後の生活についてお話します。
カナダで家を買ったことでどんな暮らしが待っていたのか、少しでも参考になれば嬉しいです。
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カナダで家を買う決断—なぜこのタイミングで?
カナダに移住してから数年、正直最初は「マイホーム」なんて夢のまた夢って感じでした。
でも、結婚して子どもたちが生まれると、自分たちの家を持つことが急に大事だと感じるようになったんです。
賃貸でも快適でしたが、やっぱり自分たちの家があれば生活がもっと安定し、子どもたちの将来にも安心感を持たせられるのかなって。
賃貸だと契約更新で「次はどうしよう?」という不安が毎年つきまとっていたのですが、家を買うことでその不安から解放されると思ったんです。
さらに家を買うことで将来はその家を売って利益を得ることもできるし、ローンを払い終わった後は、それが自分たちの資産になります。
「いつかは家を持ちたいね」とキムと話していたものの、実際に動き出すまでには時間がかかりました…。
「家族のために、長期的に安定した生活基盤を築きたい」という目標が明確になり、マイホーム購入を決めました。
日本では、今でも多くの不動産会社が「婚姻関係にあること」を前提に契約を進めることが多いので、同性カップルにとって家を借りたり買ったりする際の障壁になりがちです。
実際に日本で、同性カップルが家を借りたり買う際に、契約でトラブルが起こったことがありました…。
しかし、カナダでは同性婚ができるので、私たちにも平等に家を購入する権利があります。
私たちも「平等に家を買えるんだ!」って思うと、もっとリアルに感じられたんですよね。
この安心感が、私たちの家の購入への決断を後押ししてくれました。
カナダでは同性カップルとしても何の問題もなく家を買えることに、改めて感謝しています。
物件選び—重視したのは「生活の便利さ」と「自分たちの夢」
家をゼロから建てるのは予算的に現実的じゃなかったので、まずは希望条件に合う中古物件を探すことから始めました。
最初は物件選びにワクワクしたけど、実際はなかなか難航しました。
なぜかというと、「いいな」と思った家はすぐに売れてしまい、競争率が高かったんですよ…。
それでも、諦めずに希望に合う物件を探し続け、最終的には理想の家を見つけられてホッとしています。
私たちが挙げた物件条件は全部で7つありました。
- 学校までの距離が近い
- 職場までアクセスしやすい
- LGBTQ+フレンドリー地域である
- 自宅にダンススタジオを作れる
- 価格のバランスがとれている
- 間取りと部屋数が希望に合う
- 庭付き一戸建てである
これらの条件をふまえて、リアルター(不動産仲介)を通して、家探しがスタート。
私たちが最も重視したポイントは、「家族が快適に過ごせること」です。
物件条件①学校までの距離が近い
物件条件の1つめは、家から学校までの距離が近いこと。
カナダでは、12歳までの子どもは親が車や徒歩で送り迎えをする必要があるんですよ。
日本では集団下校があったり、子どもたちだけで学校に通うのが一般的ですよね。
フルタイムで働く私たちにとって、「学校が近い」という条件は、毎日の送り迎えが楽になるので、譲れない条件のひとつでした。
物件条件②職場までアクセスしやすい
物件条件の2つめは、家から職場までアクセスしやすいこと。
通勤が短ければ、そのぶん家族との時間も確保できるので、重視した条件になりました。
物件条件③LGBTQ+フレンドリーの地域である
物件条件の3つめは、LGBTQ+フレンドリーの地域であること。
私たちが住んでいる地域は、LGBTQ+に非常に優しいエリアで、町の至るところにレインボーフラッグが掲げられています。
町の人々も非常にオープンで、多様性を受け入れている雰囲気があり、私たちも特に心配することなく、この地域に決めました。
カナダ全体としてLGBTQ+にフレンドリーな国ではありますが、地域ごとに特徴があるため、慎重に調査をしました。
一部の地域ではまだ保守的な意見を持つ人々もいるので…。
そうした場所では同性カップルやLGBTQ+ファミリーとしての生活が少し窮屈に感じられることもあります。
特にアルバータ州、マニトバ州、サスカチュワン州では、LGBTQ+コミュニティに対する理解が十分でないこともあるため、その点については事前に調べ、確認を重ねました。
特にLGBTQ+フレンドリーなエリアはBC州、オンタリオ州、ケベック州の都市部になります。
地域選びで注目したのは以下の2点です。
- プライドイベントの有無
- 地域の政党や政策
プライドイベントの有無
住んでいる地域で、プライドイベントがプライド月間に開催されているかどうかは、私たちLGBTQ+ファミリーにとって重要なチェックポイントでした。
プライドイベントは私たちが「家族」として祝える大切な場。
虹色の旗が揺れる中、似たような境遇の家族と出会ったり、仲間とともに歩いたりすることで、子どもたちもポジティブに感じることができます。
学校にレインボーフラッグが掲げられているかどうかも重要なポイントのひとつでした。
子どもたちは、レインボーフラッグを見るたびに、自分たちの家族や自分自身が「ここにいていい」と感じられるだろうと思ったのです。
地域の政党や政策
地域の政治家がLGBTQ+コミュニティにどれだけ理解を示しているのかも重視しました。
地域で推進されている政策が、同性カップルを含むLGBTQ+ファミリーに対して友好的であるかどうか、これは実際に暮らしていく上で大きな安心感につながるからです。
物件条件④自宅にダンススタジオを作れる
物件条件の4つめは、自宅にダンススタジオを作れるスペースがあることでした。
ダンス講師をしている私にとって、自宅でダンススタジオを開業できるかどうかは大きなポイントでした。
なので、ガレージ付きの物件を優先して探しました。
物件条件⑤価格のバランスがとれている
物件条件の5つめは、価格のバランスがとれていること。
カナダの住宅市場はどんどん高騰しているので、理想の家を予算内で見つけるのは大変でした。
カナダでは建物の耐用年数が長いので、築年数に関わらず不動産価値が上昇していくんですよね。
日本の中古物件はだんだん安くなっていきますが、カナダの家は「古い」という理由で安くなることはほぼないんですよ…。
都市部でも郊外でも物件の価格はさほど差がなく、予算内で理想の家を見つけるのは一苦労…。
でも、最終的には理想と価格のバランスが取れた家を見つけることができ、満足しています。
物件条件⑥間取りと部屋数が希望に合う
物件条件の6つめは、間取りと部屋数が希望に合うこと。
子どもたちが大きくなった時に、それぞれ個室を持てるように部屋数は3~4部屋が希望でした。
また、リビングやダイニングも一体感があり、家族が自然と集まるような空間を探していました。
物件条件⑦庭付き一戸建てである
物件条件7つめは、庭付き一戸建てであること。
広々とした庭があり、家庭菜園やバーベキューなど、アウトドアの活動を楽しむのが夢だったので。
アパートやデュプレックスだと少し価格は安くなるんですが、やっぱり自分たちの庭が欲しい!と。
晴れた日に外でご飯を食べたり、子どもたちと一緒に野菜を育てたりできるスペースがあれば、生活がもっと豊かになる気がしたんですよね。
そんなわけで、庭付き一戸建ても条件にいれました。
理想の家との出会い
理想の家との出会うまでは、何度も物件を見に行き、希望の条件を妥協したり、または理想と現実のギャップに悩んだりと、長い道のりでした。
でも、そんな中で出会った「運命の家」がありました。
私たちが理想としていた7つの条件すべてを満たす物件が、なんと私たちの結婚記念日に出てきたんです。
まさに素晴らしいタイミング!
内見をしてから、あれこれ考える間もなく、すぐに決めちゃいました!
まさに「これだ!」という感じで、もう迷う余地なし。
それまでに色々な物件を見てきたので、スムーズに決められたのかもしれません。
そして即決できるほど、私たちにとって完璧な家だったんです。
家を購入してからの生活| 特に気に入っている点は?
家を買ってから2年が経ちましたが、想像以上に幸せです!
自分たちが出した条件が全て揃っている理想の家に出会うことができ、本当に満足しているし、
今でもふとした時に「この家を選んでよかったなぁ」と実感しています。
実際に住んでみて、他にも気に入っている点があるので、いくつか挙げてみますね。
全ての窓から木々の景色が見える
実際に住んでみて、特に気に入っている点のひとつめは、すべての窓から木が見えること。
森の中に住んでいるような気分になるんですよ。
自然に囲まれて過ごすことで心の安定も得られて、リラックスできる毎日です。
自宅にダンススタジオを設けた
家を購入する際に譲れない条件として挙げていたのが、ダンススタジオを作るスペースがあることでした。
そのため、家探しの段階からガレージがある場所を選びました。
ガレージを改装して、木の床を敷き詰め、鏡を全面に貼ったスペースは、まさに自分の夢を形にした場所。
毎日、ここで思いっきり踊ることができるので、心も体も元気になります。
ダンススタジオを作ったことで、友人たちとの集まりやプライベートレッスンもできるようになり、さらに充実した毎日を送ることができています。
キッチンとプレイルームが対面されている
キッチンが子どもたちの遊ぶプレイルームと対面している間取りになっています。
料理しながら子どもたちを見守ることができ、まるで一緒に遊んでいるような感覚に。
お皿を洗っていると、突然「見て!これ、すごいんだよ!」って、声が聞こえてきたり、笑い声が響いたり。
もちろん、子どもたちが喧嘩している声も聞こえてきたりしますが(笑)
子どもたちの元気な声を聞きながら、のんびり料理する時間は、思っている以上に心地いい。
これがあるから毎日のご飯作りも楽しく感じます。
庭ではさまざまなアクティビティが楽しめる
庭には大きな木があり、子どもたちと一緒にアウトドアを楽しんでいます。
庭はバックヤードとサイドヤードの両方があり、子どもたちと毎日違った遊びができるんです。
最近は庭の木にハンモックを掛けました。
ゆらゆらとリラックスするのが最高のひととき。
庭に小さなキャンプサイトを作り、マシュマロを焼いたりして楽しむこともあります。
さらに、ツリーハウスも作ったんですよ!
庭にスペースがあると、楽しいことがたくさんできて、想像がどんどんふくらみます。
ツリーハウスは子どもたちの秘密基地みたいな場所。
最近はここで宝物を隠したり、探検ごっこをしたりしていました。
自家製の野菜も育て始め、トマトやバジル、ニンジンや白菜などを収穫するのが楽しみでたまりません。
子どもたちも庭野菜なら食べてくれる!
愛犬のウィニーも庭で自由に走り回れるので、まさに犬にもぴったりの場所。
そして、庭には小屋があり、私の作業スペースとして使っています。
外壁には家族全員でアートを描いたりして、ちょっとしたDIYプロジェクトみたいで楽しかったです。
公園まで歩いて行ける
家から歩いてすぐのところに公園があるのも好きなところ。
子育てしやすい環境がありがたい。
子どもたちが遊ぶ場所も近く、家族全員で散歩を楽しんだり、ピクニックをしたりできています。
森と海が近い
家からは、森と海が近いので、週末には近くの森を散歩したり、海に行ってリラックスしたりしています。
自然の中で過ごす時間は、私たち家族にとってとても大切で、心がリフレッシュされる時間です。
生活に便利な設備が整っている
森と海が近いのと同時に、スーパーや薬局、ショッピングモールも近くにあるので、生活がかなり便利です。
特に子どもたちが小さいと、急に買い物が必要になることがあるのでありがたいですね。
玄関の広さがちょうどいい
子どもがいると、玄関に物があふれがちですが、玄関の広さがちょうどいいので使いやすいです。
最近では、子どもの身長に合わせて壁に長めのフックをかけ、自分たちで上着やランドセルをかけられるようにしてみました。
子どもたちも場所が決まっていると片付けやすいみたいです。
玄関の広さがちょうどいいおかげで、出かけるときもサッと準備ができて、玄関でのごたつきが少し減りました。
やっぱり、スッキリとした玄関は気持ちがいいですね!
素敵な家に出会えて本当に良かった!
騒音対策ができている
隣近所が密集していない立地に家があるので、騒音に関するストレスが減りました。
特に、ガレージをダンススタジオに使っているため、音を気にせずにダンスを練習したり教えたりできるのは嬉しいです。
子どもたちが遊んだり、犬が吠えたりしても、周りに気を使うことなく自由に過ごせるのが本当に快適です。
プライド月間にイベントがある
そして、もうひとつ嬉しいのが、地域でプライド月間にイベントがあることです。
近所に理解があり、同じ価値観を大切にするコミュニティがあるのは心強いですね。
小さな地域なのでパレードはないですが、ドラァグクイーンのパフォーマンスがあったり、子ども向けのワークショップが開催されるので、
私たち家族も参加して、子どもたちにも多様な価値観に触れる機会を作っています。
地域の支えがあると、孤独感も薄れ、むしろ家族や仲間としてのつながりが深まっていくのを感じます。
隣近所からの理解がある場所で暮らすことで、安心して自分たちらしく過ごすことができるのは本当にありがたいです。
この家を選んだ自分を褒めたいくらい、この地域に家を買って大正解!
子どもたちの通う学校でプライド月間を祝う
子どもたちの通う学校では「レインボーデー」という日が設けられ、プライド月間を祝います。
プライド月間を子どもたちの通う学校で祝うことは、私たち家族にとって本当に嬉しい。
先生たちや他の保護者が一緒にプライドを大切にしてくれているのを見ると、
心から安心するし、子どもたちも「この場所は自分たちにとって安全な場所だ」と感じられるはず。
この地域に家を買ってよかった。
授業では、子どもたちの年齢に合わせて多様な家族の形や人との違いを学ぶ機会が設けられました。
レインボーフラッグも掲げられていましたよ。
その小さな光景一つ一つが、親としては「ここなら安心して通わせられるな」って思える瞬間ばかりで、感動もひとしおでした。
さらに、同じクラスにはうちと同じ「ふたりママ家族」の子がいて、「おお、仲間がいる!」とちょっと心強くも感じました。
先生たちも多様な家族の形をを自然に受け入れてくれて、他の子どもたちも特に気にする様子もなく、みんなで和気あいあいと過ごせています。
お互いの家族のことを知っていくうちに、子どもたちも自然といろんな家族の形や違いを学んでいける環境があるのは本当にありがたいです。
学校生活の中で、親子で安心して学び成長していける「居場所」があるって、本当に素敵なことだなってしみじみ感じます。
カナダで家を購入する際の注意点
カナダで家を購入する際の注意点を紹介しておきますね。
ホームインスペクションをする
カナダで家を買う前に絶対やっておきたいのが「ホームインスペクション」。
簡単に言うと、家の健康診断みたいなもので、プロのインスペクターが家の隠れた問題をチェックしてくれるんです。
これをやることで、後から「こんなはずじゃなかった!」ってトラブルを避けられるのでめっちゃ大事。
チェックするポイントは、基礎や屋根、配管、電気系統、暖房・冷房システム、それにカビや湿気がないかどうか。
インスペクターが家全体を調べて、結果をレポートとしてまとめてくれます。
もし何か問題が見つかれば、値下げ交渉や修理依頼ができるし、大きな問題があった場合は契約をキャンセルすることも可能。
費用はだいたい$300~$700くらいで、信頼できるインスペクターを選ぶのがポイントです。
私はリアルター(不動産仲介者)にインスペクターを紹介してもらいました。
新しい家で気持ちよく生活をスタートするためにも、インスペクションは絶対欠かせませんよ!
価格交渉をする
家を買うとき、価格交渉はかなり大事なポイント。
特に、物件に何か問題があったり、今の市場が買い手に有利な時は、値段交渉のチャンスがあるんです。
じゃあ、どうやって交渉を進めるか?
一番の武器は「インスペクションの結果」になります。
もし家に欠陥があったり、修理が必要な部分が見つかったら、交渉材料に使って、価格を下げてもらうことができるんです。
例えば、インスペクションで「屋根の修理が必要」とか「配管に問題がある」とわかれば、
それを理由に値引き交渉ができるし、修理費を売主に負担させることも可能。
交渉のコツは、冷静に、かつ自信を持って要求を伝えること。
強引すぎないように気をつけつつ、正当な理由があればしっかり主張してみてくださいね。
不動産仲介者を通して価格交渉をすると、適切なアドバイスをもらえるので、スムーズに交渉成立することが多いです。
カナダで同性カップルが家を購入した理由とその後の生活まとめ
家を買うという決断は、大きな一歩でしたが、自分たちの理想の家を見つけることができて、本当に幸せな毎日を過ごしています。
引っ越して2年。
家が自分たちの「ホーム」だと感じられ、近隣の人たちも温かく迎え入れてくれて、子どもたちも自然と笑顔が増えました。
カナダはLGBTQ+フレンドリーな国なので、私たちが家族として生活していることにも、地域の人々から温かい支援と理解を感じることができています。
日常の中で、私たちが自分らしくいられる場所であることを実感しています。
私たちの体験が少しでも参考になれば嬉しいです。
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
こんにちは、まどぅです。