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国際同性婚を決めた私たち : 家族へのカミングアウト

まどぅ

カナダで国際同性婚をしたまどぅー(➠プロフィールはこちら)です!

この記事ではどのように家族にカミングアウトをしたかを書きました。

実は私はカミングアウトはしないつもりだったんです。

ですが、大祖母のお葬式をキッカケに母に伝えることを決意したのです。

 

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私の母へカミングアウト

家族の中で最初にカミングアウトしたのは母でした。

大祖母のお葬式の帰り道、母はこう言いました。

私の母

人はいつか死ぬのだから後悔しない人生を生きなさい。

大祖母が笑顔で亡くなったことを思い返し、なぜか、「カミングアウトするなら今しかない」って思い立ったんです。

私が今、付き合っている人は同性だということを母に伝えよう。

いつかキムと別れるつもりならわざわざ言わなくてもいい。

でも、別れることが考えられなかったんです。

恋人がいることは喜ぶべきことなのに、私は神妙な面持ちで話を切り出しました。

大祖母が亡くなったこともあってか、付き合っていることを伝えながら、思わず涙が。

母は「人を好きになることに性別も国籍も関係ないのだから自信を持っていいんだよ」と

涙ぐみつつも受け入れてくれたんです。

まさかの予想外!

その後、母は急に、「カナダにいるキムにスカイプしよう!」と提案。

「二人のことを応援しているからね!」と力強く伝えてくれ、キムも日本語で「ありがとう」と嬉しそうでした。

なぜならその時、キム自身もまだ自分の親にカミングアウトしていなかったんですよ。

同性婚ができるカナダですが、家族に受け入れられない、理解されないケースも珍しくないのです。

友人へのカミングアウト

私たちの結婚式が近づくにつれて、「式に誰を招待するか」という話に必然となります。

「式に呼ぶ=カミングアウトをしなければいけない」

心身ともに疲れることをやってのける必要があったんです。

私は既にカナダに住んでいたので、結婚することをメールで伝えることが増えていました。

しかし、「ホモだと思われるよ」と笑いをとる友人たちの何気ない過去の会話が心を悩まし、徐々に距離をとるようにもなっていきました。

居心地が悪いと感じる時もあったけれど、LGBTQ+当事者になってから初めてわかることも沢山あったんですよね。

自分自身でさえもLGBTQ+への偏見を持っていたことに気づき、自分のことが嫌でたまらなくなる時期でもありました。

LGBTQ+当事者が自分自身のセクシャリティを嫌悪することをインターナライズド・ホモフォビアと言いますが、

自分で自分を受け入れるのが本当にツラく長い道のりだったんです。

のちにカナダで最先端の教育に触れる機会があり、無意識的に行う差別や偏見のことをマイクロ・アグレッションと言うことを学びました。

友人たちに祝福してほしい気持ちはありましたが、残念ながらカミングアウトできずに結婚式に招待できなかった友人たちも数多くいます。

結婚真近で遂に私の父へカミングアウト

父とは、関係がこじれ、ほとんど会話をしていない時期が10年ほどありました。

ステレオタイプな父。

否定されるのではないかという恐怖心から、

私たちの関係を打ち明けることに気が進まなかったんですよね。

ある日「お父さんの命が長くない」というメールを母から受け取り、「言わなきゃ」と焦りました。

ようやく今までの感謝の気持ち、結婚すること、カナダでの生活のことを伝えることができたんです。

それからしばらくして「父の命が長くない」というのは母の嘘であったと判明したんですが…。(苦笑)

まどぅ

私と父を近づけるためについた嘘だったんですよ…!

父にはメールではなく、手紙でカミングアウトしました。

キムからも日本語で一筆書いてもらって。

10年の溝を埋めるかのように一心不乱に書き続けました。

便箋レター6枚にぎっしりの文字になっていましたね。

2週間ほどで日本で手紙を読んだ父からLINEメッセージがきたんです。(一部抜粋)

まどぅ

これはめちゃくちゃ嬉しかった。

だって完全にステレオタイプだと思っていた父から、まさか「おめでとう」という言葉が聞けるなんて。

私たちは歓喜の声をあげて喜び、「よかったぁ」と安堵の涙を流すほどでした。

キムの家族へのカミングアウト

さて、キムの家族へのカミングアウトは、ちょっと波乱がありました。

まず最初にカミングアウトしたのは、キムの妹でした。

4人きょうだいの中で一番仲がいいので、特に心配していなかったのですが、

キムの妹は「お母さんとお父さんには言わないほうがいい」とアドバイスされてしまったのです。

だけど、結婚することを決めたのに、そのまま黙っていることはむずかしく…。

キムも重い腰をあげ、両親にカミングアウトをしました。

しかし、キムのお母さんには「結婚式はあげなくてもいいんじゃない?」と言われてしまったのです。

カナダで同性婚が可能になったとはいえ、やっぱり家族には保守的な考えが残っているんだなと実感しました。

ちなみにキムのお父さんは、しばらく黙り込んでいましたが、「君たちが幸せなら祝福したい」と言ってくれました。

私たちは自分たちの愛を大切にして、少しずつでも家族に理解してもらえるように勇気を持って進むことにしました。

カミングアウトの選択

冒頭でも書いた通り、カミングアウトをしても家族や友人に理解されない、祝福されないケースはあるんですよね。

だから私のような家族は稀なのかもしれない。

まどぅ

カミングアウトしたことで絶縁されたって話も聞きますし…。

また、「この人なら大丈夫だろう」と思った人が偏見に満ちている人であったり、

「絶対に理解してくれないだろう」と思い込んでいた人が、実は良き理解者になってくれたりと、

本当に様々なケースがあります。

実際、私たちもそうでしたから。

「好きな人と共に生きていくこと」を否定されるのは悲しいですよね。

だから別にカミングアウトはしなくてもいいんですよ。

カミングアウトができないからって悩む必要もない。

そして、カミングアウトは1度だけでなく、新しい人に出会うたびにずっと続いていくもの。

大事なのは、自分の気持ちを大事にして、安心していられる環境を見つけることだと思います。

必ずしもいい反応ばかりじゃないから、心苦しくなることもきっとあるけど、何かのタイミングで変わる日が来るかもしれない。

もしくは、少しづつ変わっているのかもしれない。

今でも私は言ったり言わなかったりを繰り返しながら、好きな人と共に生きています。

次回は結婚式当日の様子をお届けするので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!

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