
この記事は環境活動家の「グレタ・トゥーンベリ」さんについてまとめました。
グレタ・トゥーンベリさんは国連気候行動サミットで「怒りのスピーチ」を行なったことで一気に知名度が上がりました。第二のセヴァン・スズキとも言われていますね。
地球温暖化に本気で取り組まないと遅いと。グレタ・トゥーンベリさんの生い立ちや怒りのスピーチ全文、人物像に迫ります!
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活動家「グレタ・トゥーンベリ」とは?どんな人?
グレタ・トゥーンベリさんはスウェーデン出身の環境活動家です。
地球温暖化によってもたらされる世界危機について主に訴えている人物。未成年で環境活動家となったセヴァン・スズキを彷彿させますね。
グレタ・トゥーンベリの基本情報
グレタさんの基本情報は以下に表でまとめてみました。
名前 | グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) |
---|---|
出身・国籍 | スウェーデン |
生年月日 | 2003年1月3日 |
年齢 | 16歳(2019年) |
職業 | 学生・環境活動家 |
言語 | 英語・スウェーデン語 |
ツイッター | @GretaThunberg |
インスタグラム | @gretathunberg |
Youtube | 英語スピーチ |
グレタ・トゥーンベリの経歴・生い立ち

- 2011年に初めて気候変動について知る
- その後、アスペルガー症候群と診断される
- 続けて強迫性障害・選択的無言症を発症
- ベジタリアンになる
- 2018年に学校で気候変動のストライキとスピーチを開始
- 世界で影響力のある未成年25人の1人に選出
- スウェーデンで最も重要な女性に選出
- 2019年のノーベル平和賞に推薦される
- 2019年に「No One Is Too Small to Make a Difference」を出版
- 収益を慈善団体に寄付する
- 飛行機ではなくヨットで大西洋横断
- NYで国連気候行動サミットに出席
- COP25に出席
- 「グレタ たったひとりのストライキ」出版
<下に続く>
グレタ・トゥーンベリさんの両親・家族
グレタさんの母親はオペラ歌手のマレーナ・エルンマンさん。父親は俳優のスバンテ・トゥーンベリさんです。ふたりの間にはトゥンベリさん以外にもう一人の娘がいます。
グレタさんの父親は、グレタさんがストライキのために学校に行かないことは快く思っていないそう。でもインタビューではこんなことも言っています▼
わたしたちは彼女が声をあげて行動することに対してリスペクトしています。家にいて何も行動しないより、外に出て行動して幸せになってほしい。
グレタ・トゥーンベリの気候変動に関する主な実績
グレタさんは15歳の時に、2018年にスウェーデンで行なわれた「気候変動エッセイ大会(climate change essay competition )」で優勝しています。
この受賞後に、気候変動のためにストライキをすることを提案しました。
でも、その時は誰もストライキをすることに興味がなかった。そうして、たった一人でストライキを始めることになったんですよ。

「気候変動マーチ」はたったひとりのストライキが始まり
グレタさんは、2018年9月9日のスウェーデン総選挙まで学校に出席しないことを決め、ストライキを始めました。

ちょうど地球温暖化による猛暑日で山火事が相次いでいる時期だったそう。
スウェーデン議会の外に座って、「二酸化炭素の排出量の削減」を訴えたんです。
「気候は最も重要な選挙問題です。わたしたちの未来を壊さないでください」と書かれたチラシを議員たちに配って。
ひとりでストライキを始めたグレタさんの様子▼
たったひとりで始めたストライキだったんですが、仲間が増えていきます▼
1週間以内に国際的な報道に発展
このストライキを始めてたったの1週間で国際的な報道に発展しました。
1週間でこんなことがあったそうですよ。
- フリーランスの写真家と出会う
- 各種SNSでストライキの様子を投稿→20万人以上に広まる
- YouTubeチャンネルに投稿→8万回以上再生される

その後ストライキには400万人以上が参加
グレタさんはその後に、世界中の学校の生徒にストライキに参加するよう呼びかけました。
結果的に2万人以上の学生が少なくとも270の都市でストライキを行なうまでに。
さらに2019年9月20日と27日のストライキには400万人以上が参加しました。

たった1人の行動が400万人以上の意識を変えたなんて。この現象を世界ではグレタ・トゥーンベリ効果と呼ばれるようになりました。
グローバル気候マーチ・カナダ
わたしが住むカナダでもたくさんの人が駆けつけました。

グローバル気候マーチ・日本
グローバル気候マーチは日本でも同日に開催されたんですよ〜。
自分には関係ないと思っている人に呼びかけるのってすごく大事。次世代にキレイな水、キレイな地球を残すために。
グレタ・トゥーンベリさんの「怒りのスピーチ」
グレタさんは2019年9月23日、ニューヨークで開かれた国連気候行動サミット(Climate Action Summit)に出席しています。
それがいわゆる「怒りのスピーチ」です。
こちらが日本語訳付きのスピーチ映像です▼
海も汚染されてヒドイ状況になっているのに、何もしないわけにはいかない。このスピーチでそう突き動かされた人は多いはず。
地球で生きている人間として「グレタさんのスピーチは名言だったね」と他人事では終わらせることなんてできません。
グレタさんの怒りのスピーチの英語全文・日本語訳
グレタさんの怒りのスピーチの英語全文を載せます。

This is all wrong. I shouldn’t be up here. I should be back in school on the other side of the ocean. Yet you all come to us young people for hope? How dare you!
すべてが間違っています。私はここにいるべきじゃないんです。私は海の向こう側の学校に通っているべきだから。でも、アナタたちは若者に希望を求めている。よくもそんなことを!
You have stolen my dreams and my childhood with your empty words. And yet I’m one of the lucky ones. People are suffering. People are dying. Entire ecosystems are collapsing.
アナタたちは、口から出まかせばかりで、私の夢を、私の子ども時代を奪ったんです。それでも、私は恵まれている方です。苦しんでいる人、死んでいく人がいる。生態系全体だって崩壊しています。
We are in the beginning of a mass extinction. And all you can talk about is money and fairytales of eternal economic growth. How dare you!
私たちは、大絶滅の始まりにいます。でもアナタたちはお金や、いつまでも続くと思っている経済発展のおとぎ話だけを話し合っています。よく、そんなことができますね!
For more than 30 years the science has been crystal clear. How dare you continue to look away, and come here saying that you are doing enough, when the politics and solutions needed are still nowhere in sight.
30年以上前から、科学が出した答えは明確でしたよね。それにも関わらず見て見ぬ振りをして、ここへ来ても「十分やっている」と言って。必要な政策や解決策すら見えていないのに。
You say you “hear” us and that you understand the urgency. But no matter how sad and angry I am, I don’t want to believe that. Because if you fully understood the situation and still kept on failing to act, then you would be evil.
アナタたちは「聞こえている(私たちの声を)」「緊急事態を理解している」と言うけど。
でも、どんなに私が悲しくても、怒っていても、もうアナタたちを信じない。だって、もしアナタたちが本当にこの事態を理解しているのに行動に移さないのなら、それは悪質でしかないから。And I refuse to believe that.
だから、私は信じることを拒否します。The popular idea of cutting our emissions in half in 10 years only gives us a 50% chance of staying below 1.5C degrees, and the risk of setting off irreversible chain reactions beyond human control.
今後の10年間で、温室効果ガスの排出を50%に減らす対策案がありますが、それでも気温が1.5度下げられる可能性は50%しかないんです。人間にはコントロールできない連鎖反応が起こるリスクがあります。
Maybe 50% is acceptable to you. But those numbers don’t include tipping points, most feedback loops, additional warming hidden by toxic air pollution or the aspects of justice and equity.
アナタたちは、50%で十分なのかもしれません。でもこの数字には「ティッピング・ポイント」や「フィードバックの連鎖」、「温暖化をもたらす有害大気汚染」、「気候正義」や「気候の公平性」は含まれていません。
They also rely on my and my children’s generation sucking hundreds of billions of tonnes of your CO2 out of the air with technologies that barely exist. So a 50% risk is simply not acceptable to us — we who have to live with the consequences.
さらにこの数字は、私たちや私たちの子どもの世代が、数千億トンもの二酸化炭素を空気中から取り除いてくれるだろうと求めています。そんなテクノロジーは存在しないのに。そうすると、50%という数字は信じられないし、その結果(汚染された地球)と生きていかなければいけないのは私たちです。
To have a 67% chance of staying below a 1.5C global temperature rise – the best odds given by the Intergovernmental Panel on Climate Change — the world had 420 gigatons of carbon dioxide left to emit back on 1 January 2018.
IPCCによる最高値を見ても、地球の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%です。2018年1月1日にもどっても世界が排出できる二酸化炭素量はあと420ギガトンでした。
Today that figure is already down to less than 350 gigatons. How dare you pretend that this can be solved with business-as-usual and some technical solutions.
今日ではその値があと350ギガトンまで減ってしまいました。それにも関わらずよくも、普段と変わりないやり方と技術に頼って、この問題が解決できるフリができますね。
With today’s emissions levels, that remaining CO2 budget will be entirely gone in less than eight and a half years.There will not be any solutions or plans presented in line with these figures today.Because these numbers are too uncomfortable. And you are still not mature enough to tell it like it is.
今日の排出レベルでは、8年半以内に二酸化炭素の排出量が許容範囲を超えてしまいます。この数値に沿った解決策や計画はありません。なぜなら、この数値はアナタたちにとって不快すぎるからです。そしてアナタたちがまだ成熟できていないから、このことを伝えられていないのです。
You are failing us. But the young people are starting to understand your betrayal. The eyes of all future generations are upon you.
アナタたちは、私たちを失望させています。でも、私たち若者はその裏切りを理解し始めています。次世代の目は、全てあなたたちに向けられています。
And if you choose to fail us I say we will never forgive you. We will not let you get away with this. Right here, right now is where we draw the line.
それでも私たちを裏切ることを選択するなら、私たちはあなたを決して許さない。これで逃げることはできません。ちょうどここに、いま、線を引きます。
The world is waking up. And change is coming, whether you like it or not.
世界は目覚めています。変化も訪れ始めています、それをあなたが好きであろうとなかろうと。
TEDトーク
TEDトークを視聴しておくのもオススメです。
グレタさんはなぜ叩かれるのか?
この正論であるスピーチを受けて、「違和感・うざい・胡散臭い」と匿名でグレタさん叩きが始まりました。

これには「環境を大事にして」と「16歳の子どもに怒られた大人たち」が逆ギレしている感が否めません。
また、グレタさんが女性であることから、ここまで批判するのは「無意識的にも性差別しているから」という意見もありました。
たったひとりで始めたストライキが400万人以上にまで広がり、国際問題として取り上げられ、科学今年の10人にも選ばれ、ノーベル平和賞にも推薦されたグレタさん。
そのことからもわかるように、彼女を批判するのではなく、自分たちがが行なってきた環境破壊を認めて次の行動をするべき時だと感じます。
地球温暖化対策として今すぐできること
生きている限り、環境負荷はかかってしまうもの。
完璧をめざすことは不可能でも、一人ひとりができることがあります。
わたしもまだ勉強中ですが、少しでも環境問題に興味を持っていただけたら嬉しいです。
以上、まどぅー(@madocanada)でした。